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教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康

私たち女性の心と体は、変化の真っただ中にあります。だるさやホットフラッシュなどの症状が起こったり、体力の低下を実感したり、心のアップダウンが激しくなったり……。今までにない変化という大きな波を上手に乗りこなし、心身ともに健やかな毎日を送るための知恵を身につけましょう。

撮影・森山祐子 イラストレーション・竹井晴日 文・古屋美枝

変化4|年を取って瘦せてきたし、やる気も出ない、すぐ疲れる

Q. フレイル状態(病気ではないが、筋力、 体力、気力などが落ち、虚弱な状態になること)を感じることはありますか?

教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康

これといった病気はないものの、更年期以降に筋力や体力、気力などが落ちる「フレイル状態」になって悩む人も。

「これはもう、悩むな!と言いたい(笑)。フレイルというのは今まで動くという努力をしてこなかった結果なので、今からでも動いて筋肉をつけましょう」

現在、運動をまったくしていない人は何から始めたらよいのだろうか。

「フレイル対策に有効なのは、無酸素運動の筋トレです。筋トレ的な要素を生活の中に取り入れない限り、筋肉量は確実に減っていく一方。まずは体の大きな筋肉であるお尻や太ももの筋肉を鍛えるスクワットなどのトレーニングを毎日の習慣にしましょう」

高尾さんからのアドバイス

「『膝が痛くてスクワットができない』という状態になるのを防ぐために、たまに全身を鏡で見て、土踏まずの上にしっかり体重が乗っていて、足の向きや重心が傾いていないかチェックしましょう。もうすでに膝が痛いなら、プールの中を歩くのがおすすめ。無理だと決めつけず、一度行ってみて」

変化5|手指のしびれ、ヘバーデン結節、ばね指などの症状がある

Q. 手のトラブルはありますか?(複数回答)

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指の関節が腫れたり変形するヘバーデン結節や、指の腱鞘炎の一種であるばね指などの手の症状は、痛みを伴うことも多く、日常生活に支障をきたしがち。

「3年ほど前までは、変形がひどくなったら手術をするしかなかったのですが、今は女性ホルモン様物質の補充が予防に有効ということがわかっています」

また、これらの手の症状には遺伝的要素が大きく関わっている。

「お母さんに症状があれば、娘さんはまず起こると思う必要があります。変形してからでは遅いので、たまに自分の指を観察して、朝だけ腫れるとか変形しそうな気配を早めに感じ取って治療を始めることが大切です」

高尾さんからのアドバイス

「心配な症状があったら、普通の整形外科などでなく、手外科の専門医を受診すると、適切なアドバイスをもらえるはず。手外科専門医は日本全国にいて、日本手外科学会のホームページに医師名や病院名が載っています。また、リウマチでないことをあらかじめ確認しておきましょう」

変化6|落ち込んだり、感情の起伏が激しい…、しかもパートナーも

Q. 身近な男性のどんな行動・症状に「もしかしたら男性更年期障害では?」と感じますか?

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更年期の影響でイライラしたり、メンタルが安定しないと悩む女性は多いけれど、最近は男性の更年期も話題になる。

「男性更年期というのは、女性の更年期が世に広まる際にジェンダー的な観点から一緒に広めていった流れがあります。ただ、現状では悩んでいる人の数は女性のほうが多い。とはいえ男性の場合も、テストステロン値の低下に自覚的に気がつきにくいということはたしかに課題だし、男性にも更年期の不調は起こり得ることを知っておくとよいと思います」

性別にかかわらず、イライラする原因を自分なりに深掘りしてみることは必要。

「原因をたどって、そこに対してのアクションを起こすのが建設的だと思います」

高尾さんからのアドバイス

「メンタル的な不調や不安定さは睡眠不足によって起こることが多いので、しっかり眠った日の翌日はどんな状態か、一度確かめてみるとよいと思います。また、パートナーがイライラしているのなら、落ちついた状態のときに理由を聞いてみては。内科でホルモン値を測ってみるのもおすすめです」

変化7|ちかごろ、性欲がまったく湧かないんです

Q. “セックスしたい”と思うことはありますか?

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年齢を重ねて性欲が低下するのは自然なこととはいえ、パートナーとセックスレス問題で理解し合えなかったりすると困りもの。

「セックスをしたくない理由が、性交痛がつらいということも、更年期以降の女性にはよくあること。これはエストロゲンが不足すると、腟の潤いが少なくなるためです」

アンケートによると、セックスしたいと思うことがあるという人は14%ほど。

「性交渉は相手のコンディションなども当然影響してくるので、そこでできなかったとしても、お互いのせいにしないことが大事かと。その日はその日の状態として捉える、そして次の機会を持つ、のが前向きな考え方だと思います」

高尾さんからのアドバイス

「気が進まない場合は、パートナーとの間で話題に出してみては?『正直、ちょっと痛いんだよね。婦人科の先生にも相談したんだけど、けっこうそういう人多いみたい。ジェルでも使ってみる?』みたいに、体調の話をするような感じでコミュニケーションを取ってみるのも手です」

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