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教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康

私たち女性の心と体は、変化の真っただ中にあります。だるさやホットフラッシュなどの症状が起こったり、体力の低下を実感したり、心のアップダウンが激しくなったり……。今までにない変化という大きな波を上手に乗りこなし、心身ともに健やかな毎日を送るための知恵を身につけましょう。

撮影・森山祐子 イラストレーション・竹井晴日 文・古屋美枝

起こりがちなこの変化、原因と対策

変化1|むくみ、だるさ、ホットフラッシュ…更年期症状がしんどい!

突然、体が熱くなり汗が噴き出すホットフラッシュや、手足のむくみ、疲労感が取れないだるさなどは、更年期によく見られる症状。

「これらはすべてエストロゲン分泌量の変動に伴い、自律神経がうまく働けない状態になることによって起こる症状。汗や体温、平衡感覚などのコントロールがうまくいっていない状態です」

更年期以降の女性の健康課題は大きく分けて2つあり、一つは更年期のゆらぎの時期の課題、もう一つはそれ以降もずっと続くエストロゲン不足による課題。

「汗やほてりなどは前者。つまり時期を過ぎればいずれ落ち着くので、ずっと続くものではありません。とはいえ、短い期間に体調がアップダウンするのはとてもしんどい。上がって下がって、という状態が繰り返されるのもつらいけど、ある状態からない状態になる『ダウン』のときが大変です。症状を緩和するために、医療で降下角度を緩やかにしてソフトランディングさせるのも手です」

高尾さんのアドバイス

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「少しのエストロゲンや、エストロゲンに似た成分を補うことで、エストロゲンの分泌量の減少を緩やかにし、症状を緩和することができます。具体的には、婦人科で相談してホルモン補充療法を受けたり、サプリメントで女性ホルモン様物質を摂取するなどです。つらいときには我慢せず、何かしらのアクションを起こすことで体が楽になりますよ」

Q. 更年期の症状を感じることは ありますか?

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70%以上の人が感じている更年期症状のなかでも、「だるい、疲れやすい」と感じている人が約半数。下記7つの不調以外にも、手足のしびれや手指のこわばりや変形など、日常生活に支障をきたす症状に悩む人も。

Q. 更年期症状を感じるという方に質問です。 どんな症状を感じることがありますか。(複数回答)

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変化2|若いときは元気だったのに、 入院、定期的な通院や治療、 手術などを伴う病気をした

Q. 40代以降で、入院、定期的な通院や治療、手術などを伴う病気やケガをしましたか?

教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康

アンケート結果を見ても、大きな病気をする人が、40代以降から増えてくる。

「これくらいの年代から命に直結するような病気が目立つようになってくるということだと思います。その病気の中のいくつかは、エストロゲンが作れなくなるという変化に関わっているから、そのあたりの知識はあらかじめインプットしておきたいですね」

エストロゲンの減少によって引き起こされる病気は、血中のコレステロールが異常値である脂質異常症や動脈硬化など。いずれも健康診断で指摘されるが、今回のアンケートでは1年に1度以上健康診断を受けている人は全体の56.67%だった。

「とにかく健康診断を受けましょう!」

高尾さんからのアドバイス

「20代くらいから定期的な健康診断を受けましょう。高額な人間ドックでなくても、医師に会って自分に必要な検査は何なのか相談できるような機会は持ってください。もう一つ大事なのは、異常を指摘されたら必ず治療するなどのアクションを起こすこと。それでないと検査を受ける意味がありません」

変化3|ふとしたときに骨にヒビ!骨がもろくなってきている気がします…

Q. 「骨がもろくなっているかも」と感じたのはどんなとき?

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特に閉経後、骨に不安を感じている人も多い。

「骨は、閉経後2年間で大きく変化すると報告されていて、確実にもろくなります。でも折れない限り、もろくなったということを気づきづらいし、折れてからでは遅い。今は骨密度を上げる薬もよく効くので、まずは一度、骨密度の検査をするのがおすすめです」

骨密度検査は、健康診断の項目に含まれていない場合も多いので要注意。

「さらに骨密度だけでなく、血管の状態を知るため、コレステロール値、血圧なども測っておきたいです。骨と同様、血管もエストロゲンが守ってくれていたもので、もろくなると最終的に狭心症や心筋梗塞などを引き起こします。定期的な検査をして未然に防ぎましょう」

高尾さんからのアドバイス

「骨密度を維持するためには、日常の食生活の中で意識的にカルシウムをはじめとする骨に良い栄養を摂ること。牛乳でも小魚でもチーズでも何でもよいのですが、食生活は癖なので、毎日食べるものに骨に良いものが含まれているかどうかを絶対に見直すべきです。長年の間には大きな差が出ますよ」

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