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1回1分で身につく、脊椎と関節に負担をかけない姿勢

座ったままでできる姿勢改善エクササイズをご紹介。

撮影・中島慶子 構成&文・板倉みきこ モデル・武田留里(ノントリ(R)エクササイズトレーナー)

長年、運動療法を提唱し続けてきた整形外科医の橋間誠さんが、寝たきりの人を減らすために必要だと実感したのが、日々の姿勢を正すこと。

「多くの患者さんを見る中で、関節・背骨の変形で歩けなくなる原因は、運動不足ではなく、足指が浮いた、いわゆる“浮き指”なのだとわかったんです。足指は体幹の筋肉とも密接に関わっているので、ここが使えていないと関連する骨盤が不安定となり、背骨を支える深層の筋肉・多裂筋にもスイッチが入らず、正しい姿勢を維持できません。その結果、脊椎や関節への負担が増し、変形を加速させてしまうのです」

そこで今回は、座ったままでできる姿勢改善エクササイズを教えてもらった。

「ノントリ(R)姿勢と名付けた、寝たきりを防ぐ姿勢は1分ほどでできます。習慣化することで、脊椎と関節の変形の進行を食い止められるでしょう」

日常生活動作(ADL)を低下させる姿勢

1回1分で身につく、脊椎と関節に負担をかけない姿勢

足指の筋肉が使えていない姿勢では、体を支える体幹の筋肉が使えず、全身が不安定な状況に。この状況が続くと、関節に痛みが出たり変形も招く。最終的には、「立つ・座る・歩く」などの日常生活を送るために必要な動作(ADL)が低下。

身につけたい姿勢

1回1分で身につく、脊椎と関節に負担をかけない姿勢
  1. 足指を接地すると、
  2. 骨盤、背骨を支える
  3. 多裂筋に運動連鎖が起き、姿勢が整う。
    坐骨で椅子に座ることを意識すると骨盤もより安定。首、肩、背中は力みがなく、お腹は薄く凹ませる。これが、橋間さんが推奨する背骨・関節の変形を予防するノントリ(R)姿勢だ。

気分転換や体操感覚で1日数回実践。

ステップ1

椅子に浅く座る。
椅子に浅く座る。

ステップ2

足の指が膝の真下にくるよう足を移動。足裏の3点(母指球、小指球、踵)が床に接地していることを意識。その後10本の指をふんわりと床に接地。指に力を入れすぎないこと。
足の指が膝の真下にくるよう足を移動。足裏の3点(母指球、小指球、踵)が床に接地していることを意識。その後10本の指をふんわりと床に接地。指に力を入れすぎないこと。

ステップ3

肩にギューッと力を入れて持ち上げてから、ストンと脱力する。足指が浮き上がらないよう注意。
肩にギューッと力を入れて持ち上げてから、ストンと脱力する。足指が浮き上がらないよう注意。

ステップ4

上半身を前傾し、首、肩、背中を脱力して腕をブラブラ振る。お腹は薄く凹ませる。
上半身を前傾し、首、肩、背中を脱力して腕をブラブラ振る。お腹は薄く凹ませる。

ステップ5

上半身を元に戻し、リラックスした状態でゆっくり深呼吸。
上半身を元に戻し、リラックスした状態でゆっくり深呼吸。

ステップ6

改めて首、肩、背中がゆるんでいるか確認。お腹を軽くなで、凹ませるイメージを持つ。これでインナーマッスルにスイッチが入った姿勢が完成。1日1時間おきに1回行うことを習慣化しよう。
改めて首、肩、背中がゆるんでいるか確認。お腹を軽くなで、凹ませるイメージを持つ。これでインナーマッスルにスイッチが入った姿勢が完成。1日1時間おきに1回行うことを習慣化しよう。
  • 橋間 誠

    橋間 誠 さん (はしま・まこと)

    整形外科医

    運動療法を中心とした治療を行うため、フィットネススタジオを併設した診療所を運営する。YouTubeで「ノントリ(R)エクササイズ」を配信。

『クロワッサン』1134号より

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