“若返る食事”の秘訣は体内時計のリセットがカギーー私たちにちょうどいい量と時間は?
イラストレーション・川合翔子 文・古屋美枝
常に若々しい体を保つには、体内時計を正確にすることが大きなポイントだ。
「ホルモン分泌や血圧の変動、代謝などは体内時計のリズムに沿って行われます。時刻合わせがうまくできずに実際の時間とのズレの幅が広がっていくと、体の不調や免疫力の低下などの症状が出ます」(管理栄養士・古谷彰子さん)
体内時計は朝食を摂るとリセットされるので、まずは朝食をしっかりと。
「大切なのは毎日3食のリズムを崩さないこと。一日の食事量や内容は下の図を参照し、朝食の比重を多くすることを心がけましょう」
体内時計をリセットすると、こんなにいいことが!
・睡眠リズムが整い、深く眠れるようになる
・健康な体重をキープしやすくなる
・腸内環境が整い、免疫力が高まる
深く眠れるようになり、目覚めもスッキリ。朝食をしっかり食べることで3食のリズムが整い、健康的な体重を保ちやすくなる。自律神経が整い便通もよくなり、巡りのよい体に。
理想的な食事バランスは?
加齢に従い一日の総食事量を減らす……という意識は持たなくて大丈夫。ただし、朝:昼:夜の食事を4:3:3にすることを目標に。朝は炭水化物とたんぱく質を一緒に摂ると体内時計をリセットしやすくなる。血糖値が上がりやすい夕食は、低糖質の献立がおすすめ。
理想的な一日の食事量
更年期以降は特に偏りがないよう、炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素をバランスよく摂ることを意識して。手にのる面積、手のひらの厚みで量る「手ばかり法」で理想的な食事量を意識する。
炭水化物は、両手のひらで収まる分ずつ。朝&昼に摂る。夜は軽めに。
たんぱく質は、片手で収まる分ずつ、異なる5種類をバランスよく摂る。朝2種類+昼2種類+夜2種類が理想。
野菜は、一日トータルで両手のひら3杯分。
果物は、にぎりこぶし1つ分。
まずは現状を把握しよう!チェックシート
生活習慣
以下に当てはまるものをチェックしよう。
□ 起床時間、就寝時間がバラバラだ
□ 平日と休日で生活リズムが違う
□ 朝日を浴びないことが多い
□ 朝食を抜きがち or 飲み物だけのことが多い
□ 朝、起きるのがつらい
□ 夕食の量が一番多い
□ 夕食にこってりしたものをよく食べる
□ 炭水化物は抜きがちだ
□ 昼食から夕食まで9時間以上あくことが多い
□ 夜のほうが元気だ
3つ以上当てはまると、体内時計が乱れている可能性大。
上記はすべて、体内時計の乱れを引きおこす要因や乱れると起きるサイン。特に活動時間が後ろにズレて夜型になると、血糖値が上がりやすく、脂肪の代謝が低い夜の時間帯に比重が多い食事をしがちに。その結果、寝つきが悪くなって朝起きられなくなるという負のループにハマり、腸内環境やメンタルの調子も崩しやすくなる。
「朝食を摂る」ことで、脳を介さず全身の時計を効果的に調整できる
まずは決まった時間に起きて、1時間以内に朝食を食べることから始めよう。活動を始める合図として食事を摂ることで、体内時計に合わせた一日3食のリズムが整う。不規則な仕事の人も、「最低1食は同じ時間に摂る」ことを意識すると体内時計が整いやすい。
食事&睡眠リズム
このフォーマットで平日/休日、両方チェックして比較する。
客観的に自分の生活を振り返り、体内時計のリセットを目指そう
意外と自分が一日に何をどのくらい食べているか把握していないことが多いので、写真を撮るなどして一度客観的に見てみると、改善点がより明確に。毎日の起床・就寝時間も記録し、平日も休日もなるべく一定のリズムになることを目標にして。
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