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良かれと思い込んで続けている「体にいい食事」、見直してみませんか?

健康にいいと思っている食習慣も、実は勘違いしていたり、年齢とともに体質に合わなくなっていることも。ここで改めてアップデートしたい……!そんな思いをもつ方へ、医学博士の野口緑さんからのアドバイスをお届けします。

イラストレーション・堀 道弘 文・一寸木芳枝

「テレビ番組やSNSで流れてくる“これが体にいい”“これは体に悪い”という情報に、多くの人が飛びつきがちですが、食べてはいけないものなんて、本当はないんですよ」

そう話すのは、メタボに着目した独自の保健指導で実績を上げ、“スーパー保健師”として多くの患者と向き合ってきた野口緑さん。

「重要なのは、適量や正しい摂り方を知ること。体にいい食事と言われているものでも、摂り過ぎたり、摂り方を間違えれば体に悪い影響を及ぼすことも」

知識がないためについやってしまいがちな食習慣、あなたは大丈夫?

たんぱく質:肉や卵の食べ過ぎはよくないと思い、魚しか食べないようにしている

肉、魚、豆、乳製品、卵ーーこの5種類は毎日必要なんです!

「確かに肉を食べ過ぎれば、飽和脂肪酸の摂り過ぎでコレステロール値が上がり、動脈硬化が進む可能性があります。卵も長期的に見ると、多量摂取は心筋梗塞の発症確率が上がるというデータも。だからといって、たんぱく源を魚だけに頼ってしまうと、肉や卵から摂れるはずの栄養素が不足することに。

大切なのは、乳製品、卵、肉、魚、豆の5品目をバランスよく食べること。1日に食べるべき量の目安は、牛乳 200ml、卵Mサイズ1個、肉と魚はそれぞれ50〜100g、豆腐1/4〜1/3丁。これは20代でも60代でも大きくは変わりません」(野口さん)

良かれと思い込んで続けている「体にいい食事」、見直してみませんか?

たんぱく質を補うために毎日プロテインを飲んでいる

通常の3食をとっていれば、プロテインは追加不要です

「コンビニなどでも気軽に購入できる利点はありますが、私たちに必要なたんぱく質量は体重あたり1g。60kgの人であれば、1日60gです。これは、3食普通に食事をしていればあっという間に摂れてしまう量。であれば、あえてプロテインを飲む必要はなく、食べ物だけで充分だと言えます」(野口さん)

カルシウムやたんぱく質を摂るために、しらすやジャコを積極的に食べている

意外な落とし穴!小魚類は“隠れ高コレステロール食材”

「“骨粗鬆症の予防のために”“ダイエット中の口さみしいときのおやつに”と、しらすやジャコを摂る人は多いですが、内臓を含めて丸ごと食べられる小魚類には、多くのコレステロールが含まれています。血液検査の結果で思い当たる節がある人は、しばらく食べるのを控えてみるのをおすすめします」(野口さん)

痩せているのが気になり、とんかつやメンチカツなど肉は揚げ物で食べるようにしている

無理に太ろうとすると、血糖値や中性脂肪に影響が

「まず、牛と豚と鶏は、鉄分やビタミンの含有量や脂質が異なるだけで、たんぱく質としての優劣はありません。また、揚げ物という調理法も、適量であれば問題はありません。太れるか太れないかを決めるのは、脂肪細胞の数。痩せている人はそもそも数が少なく、細胞1個ずつを大きくして太ろうにも限界があります。バランスを欠いた食事は、血糖値や中性脂肪の数値を上げる要因にもなるので、無理はしないこと。筋肉をしっかりつけるほうがベターです」(野口さん)

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