アロマで脳が活性化。香りが脳に与える作用。
いかに生き生きと保つか、その研究は各分野で日進月歩。
暮らしの中で役立つ情報を集めました。
文・長谷川未緒 イラストレーション・黒川ひろみ
ふとした香りに、過去の記憶が呼び覚まされた経験を持つ人は少なくないはず。その理由は、五感の中で嗅覚だけは脳内の情報処理経路が違うから、とアロマセラピストの小林ケイさん。
「脳には感情や本能を司る大脳辺縁系と、思考を司る大脳新皮質があり、香りは大脳辺縁系にダイレクトに伝わります。大脳辺縁系には記憶に関わる海馬という器官もあるので、香りによって記憶を追体験できるのです」
香りと記憶は切っても切れない関係で、香りには記憶力を高めたり、脳を活性化させたりする働きがあるのだそう。
よく知られるのはローズマリーの精油で、特にカンファーという芳香成分が脳の血流量を高め、認知症の予防が期待される。またレモン系、ラベンダー系、ジャスミン系の3種の香りをランダムに香らせた空間でキーパンチ作業をする実験では、無香の空間に比べて全ての香りでミス率が低下した。
「ラベンダーやジャスミンにはリラックス効果があるので集中力が落ちそうですが、香りがあるほうが作業効率がアップしました。香り自体が脳によい刺激を与えるということでしょう」
自律神経を整え、ストレスを解消することも脳のアンチエイジングに。カモミールやローズなどの花の香りや、かぐと唾液が出る柑橘類やスパイス系の香りがおすすめ。
「効果・効能以上に、頭がすっきりしそうとか、リラックスできそうといった感覚が大切。目的に合わせて好みの香りを見つけ、役立ててくださいね」
アロマポットにたらしたり、寝具やリネンに香らせても。
『クロワッサン』1094号より
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