腰痛予防のために採っておきたい栄養とは?
イラストレーション・松元まり子 文・山下孝子
ビタミンD
●カルシウムの吸収を促し免疫のバランスを調整
ビタミンDは D2 から D7 まで6種類存在しますが、食品に多く含まれているのは植物由来の D2 と、動物由来の D3 の2種類です。そのため、ビタミンDを含む食品はそれほど多くありません。
小腸でのカルシウムとリンの吸収を促す働きがあるため、骨や歯を育てるために大切な栄養といえます。
また、ビタミンDは血中カルシウム濃度を一定に調節する働きもありますので、カルシウムによって収縮が安定する筋肉にとっても大切な栄養です。
なお、ビタミンDの摂取によってインフルエンザの罹患率が下がったという調査結果から、免疫のバランスを調整する働きも持つとされています。
(ビタミンDが豊富なその他の食材)
・乾燥きくらげ
・サンマ
・いわし丸干し
・ブリ
・カレイ
・しらす干し
・かつおの塩辛(酒盗)
・あん肝
・鰻のかば焼き
・卵
たんぱく質
●筋肉の材料となるだけでなく体温を上昇させる燃料に
たんぱく質は体内でアミノ酸に分解・吸収された後に、再びたんぱく質となり筋肉、臓器、皮膚、毛髪などの材料に使用されます。腰痛を予防するためには頑丈な筋肉が不可欠のため、ぜひ摂取してほしい栄養です。
なお、動物性たんぱく質は、高齢者に多い脂質異常を避けるために、脂肪分の多い牛肉や豚肉よりも脂肪分が少ない鶏肉・卵や魚介類を中心にするようにしましょう。筋肉量が増えると体温も上昇しますので、冷え性も改善されます。
また、大豆製品に含まれる大豆たんぱく質は血中コレステロールの数値を下げる働きがあるので、脂質異常の予防にも役立ちます。
(たんぱく質が豊富なその他の食材)
・大豆製品(豆腐、厚揚げ、きなこ、おから など)
・魚介類(白身魚、エビ、たこ、いか など)
・乳製品(チーズ、ヨーグルト など)
ビタミンK
●骨の形成を助けてくれ動脈のカルシウム沈着を抑制
ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬にも使われており、骨にあるたんぱく質に働きかけ、骨の形成を促してくれる働きを持っています。
これは動脈のカルシウムの沈着を防ぐことになるため、動脈の石灰化(動脈硬化)を予防することも意味します。そのため、ビタミンDやカルシウムと一緒に積極的に摂取したい栄養です。
実際、ビタミンDとビタミンKを一緒に摂取し続けると、骨密度が高くなるという検証結果が報告されています。なお、腸内細菌によって体内でも生成されますが、抗生剤を飲んでいると腸内フローラが乱れるため、食事で摂取する必要があります。
(ビタミンKが豊富なその他の食材)・ほうれん草
・モロヘイヤ
・春菊
・つるむらさき
・ブロッコリー
・紫蘇
・キャベツ
・トマト
・海藻
・チーズ
ミネラル(ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム)
●筋肉の収縮をスムーズにしこむら返りを予防する
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルは、血液、リンパ液、細胞間液などの体液中に存在し、神経の伝達や筋肉の収縮を助ける働きを持っており、これらが不足するとこむら返りが起きやすくなります。
人間にとって必要な栄養ですが、体内で生成できないため、毎日の食事から摂取する必要があります。
名前を挙げたミネラルのうち、特にマグネシウムは日本人に不足しがちです。これは日本の水がミネラルの少ない軟水のためです。マグネシウムは消化や代謝も手助けしてくれるため、積極的に摂取するようにしましょう。
(ミネラルが豊富なその他の食材)
・カリウム
ほうれん草、大根、バナナ、海藻
・マグネシウム
海藻、いわし、桜エビ、するめ、オクラ、大豆製品
・カルシウム
しらす、いわし、しじみ、青梗菜、海藻、大豆製品
※ナトリウムは塩分で摂取可能です。
『Dr.クロワッサン 脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、ぎっくり腰もスッキリ! 腰痛の新常識』(2020年8月27日発行)より。
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