からだ

冷え性研究の第一人者に聞く、タイプ別冷え・むくみの徹底ケア。

ひとくちに〝冷え症〟といっても、実のところ原因はさまざま。エアコンによるつらい夏冷え、不快なむくみを、日常生活のカンタン習慣で根本から改善しよう。
  • イラストレーション・中島陽子 構成&文・オカモトノブコ

猛暑が厳しい外気と、冷たい室内の激しい温度差で、体が冷えてむくんだり、疲れを感じる人が多いこの季節。

「人間にはもともと、気温が変化しても体温を一定に保つ働きが備わっています。ところがこの調整がうまくできないと、熱のバランスが崩れ、冷えを招いてしまうのです。特に最近はエアコンの普及によって、こうした寒暖差にうまく順応できず、不調を感じる人が増えています」と医師の伊藤剛さん。

伊藤さんは長年の研究で、冷えを大きく4タイプに分類。それぞれで本当に効果のある改善法を実証してきた。

「冷え症は単に温めるだけではよくならず、生活習慣や自律神経の乱れなど、それぞれに異なる原因を取り除くことが必要。血流が改善することで、むくみも減り、また免疫力も高まります」

「熱」のバランスが崩れると、夏冷え&むくみの原因に。

(原因1)体に必要な熱を作れない

(原因2)体全体に熱を運べない。

(原因3)体から過剰に熱を逃がしてしまう。

生命活動に不可欠な「熱」はまず食事や運動、基礎代謝から作られ、血流に乗って全身に運ばれる。一方で体温の急上昇を防ぐため、体には余分な熱を逃がす働きもあり、このうち1つでもバランスを崩すと冷えを招く。激しい温度差にさらされる夏は、特に要注意。

[CHECKテスト]まずは自分の 「冷えタイプ」を知ろう。

Q1.手足に冷えはある?(2点)
A.手も足も氷のように冷たい
B.足は冷たいが、手は温かい
C.手も足も温かい

Q2.汗のかき方は?(1点)
A.あまりかかない
B.上半身にかきやすい
C.全身にかいて冷えやすい

Q3.普段の食事量は?(1点)
A.少なめ
B.普通
C.やや多め

Q4.寒いところで冷えやすい部分は?(1点)
A.手と足の指先
B.足先やふくらはぎ
C.下腹部や二の腕

Q5.冷えたときに起きる症状は?(1点)
A.頭痛や不眠など
B.顔のほてり
C.ガスによるお腹の張り

【合計点で判定!】
Aが多い………………………………四肢末端型 
Bが多い………………………………下半身型
Cが多い………………………………内臓型
Aが比較的多く、体温が常に低い…全身型

4つのタイプで、最も多いのが下半身型。内臓型・四肢末端型がこれに続き、全身型は約5%と少数派。さらに全体の約4分の1を占めるのが混合型タイプで、下半身型+内臓型の混合が最も多い。そのほか例外的に、神経や血管の障害によって体の一部が冷える、局所型というタイプもある。

(冷えの約50%が このタイプ。)下半身型

□ 下半身全体が冷えている
□ 中高年になると増えてくる
□ 座り姿勢を長く続ける人に多い
□ 冷えのぼせを併発しやすい

40代以降で座り時間が長く、運動不足の人に多いのがこのタイプ。

「お尻にあり、脚を外側に回転させる〝梨状筋〟が硬くなって、その下にある坐骨神経を圧迫するのがおもな原因です。同じ場所には動脈と、血流をコントロールする交感神経が張り巡らされているため、ここが緊張することで、下半身の血流が低下。その結果、下肢が冷える一方で、上半身はのぼせて暑さを感じるケースもあります」

これに加えて、ふくらはぎなどの筋肉が硬くなると、深部にある静脈の流れを圧迫。冷えとむくみが進行する悪循環に……。

「老化現象の一種ですが、上半身には温かい血液があるので、下肢の巡りをよくすれば回復も早いのが下半身型の特徴。まずは日頃のメンテナンスから始めましょう」

下半身型の冷えは これで改善!

お尻の真ん中で、梨状筋に重なるツボが「臀中」。坐骨と、脚の骨の付け根(大転子)を結んだ線を底辺とした、正三角形の頂点にある。

ソフトボールでツボ押し

仰向けでソフトボール(3号サイズがおすすめ)を臀中のツボに当て、体を横に傾けて体重で圧をかける。左右各30秒、1日1回を目安に、気持ちよくても押しすぎには注意。

梨状筋(りじょうきん)ストレッチ

片方の脚を曲げ、反対側の太ももにのせて足先を持つ。息を吐きながら体を前に傾け、曲げた脚をひじでぐぐーっと下に押し、5秒ストレッチ。「これが痛ければ、梨状筋が硬くなっている証拠。足先を反らすように持つとより効果的です」

デスクの足元から冷気をシャットアウト

「冷気は下のほうにたまるもの。冷房の強いオフィスでは、段ボールや窓用の冷気防止パネルなどを使って足元を囲い、環境から改善するひと工夫を」

寝る前のふくらはぎしごきマッサージ

仰向けで片方のひざを立て、反対側のふくらはぎを脚の重みでぐっと押し付けながら足首からひざ下まで、内・外・真ん中の3ラインに分けてしごくようにマッサージ。座り仕事の合間に、脚を組んで行ってもいい。「同時にツボの指圧効果もあります。静脈の滞りを改善することで、下肢静脈瘤の予防にも」

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