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低カロリーでカリウム豊富なきゅうり。体に効かせる食べ方と選び方。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。食品成分研究者で医科学博士の名取貴光さん、管理栄養士の岩崎啓子さんに教わります。

野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

(実を食べる)きゅうり[ ウリ科 キュウリ属 ]

【低カロリー】で【肥満】を解消、【カリウム】で【血圧】対策。

【栄養豊富な旬の時期】5〜8月
露地ものは初夏から夏が旬。ハウス栽培が一年中出回る。

【体に効く選び方】太さが均一で重いもの
なり口の周囲が張っていて色が濃過ぎないもの。曲がっていてもいいが上下の太さがあまり違わないものを。トゲや白い粉のようなものは品種の違いなので鮮度とは関係ない。

【体に効く食べ方】生でも加熱してもOK
きゅうりの有効成分カリウムは熱に強いので、生はもちろん加熱してもいい。きゅうりの酵素がビタミンCを壊すと言われていたこともあるが、体内で再生されるので、問題ない。

【栄養を守る保存方法】低温が苦手。野菜室で保存
きゅうりは乾燥と低温が苦手なので、冷蔵室ではなく野菜室で保存。ポリ袋に入れ、なり口を上にして立てておくといい。

【重さの目安 1本約100g】 [注目成分] カリウム 水分 [エネルギー] 14kcal/100g…

【重さの目安 1本約100g】

[注目成分]
カリウム
水分

[エネルギー]
14kcal/100g

[食物繊維]
1.1g/100g

(Topics 1)表皮の白い粉は 身を守る成分。 ブルームレスも!

表面に白い粉を吹いたようなものもあるが、実はこれ、きゅうりが自らを守るために分泌しているブルームという成分。農薬と勘違いされることが多いため、最近ではブルームレスが主流になっているが、栄養成分はどちらも同じ。

(Topics 2)種類で歯ごたえは 違っても どれも低カロリー

一般的なものは白イボきゅうりという仲間。ほかにもさまざまな品種があり、イボが黒い黒イボきゅうり、大きくて太い加賀太きゅうり、もろきゅうと呼ばれるミニきゅうり、ピクルス用なども市販されている。形は違うが、栄養的にはほぼ同じ。

低カロリーでカリウム豊富なきゅうり。体に効かせる食べ方と選び方。

低カロリーで肥満防止。カリウムで血圧が安定。

ほとんどが水分で栄養成分が多いわけではありませんが、パリッとした歯ざわりで食べごたえがあり、低カロリーなので、ダイエットのサポート野菜として活用しています。まるごとや、スティック状に切って、食前やおやつがわりに食べると食欲のコントロールができます。

カリウムが豊富で、体内の余分な塩分を排出するので、むくみの解消や血圧を下げる効果があります。

以前は、きゅうりに含まれる酵素がビタミンCを酸化させるため、サラダなどに使うと、ほかの野菜のビタミンCまでムダになるなどと言われましたが、実は酸化されたビタミンCは、体内で再び還元されて効果を発揮するので、気にする必要はないことがわかっています。

生食が一般的ですが、さっと加熱してもおいしく、ほかの食材のかさ増しに役立つので、副菜だけでなく、主菜として炒め物やグリルにしてもいいでしょう。

カリッと食べごたえが特徴。血圧対策の主菜や副菜に。

きゅうりはカロリーも栄養素も少ないところがダイエット食材として役立つほか、豊富なカリウムが血液中のナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があるので、むくみやすい人は心がけて食べるといい。加熱するとまた違った味わいで量がたっぷり食べられます。

肉巻ききゅうり

低カロリーでカリウム豊富なきゅうり。体に効かせる食べ方と選び方。

【材料(2人分)】
きゅうり …… 2本(200g)
豚もも薄切り肉 …… 150g
塩、胡椒 …… 各少々
片栗粉 …… 適量
サラダ油 …… 小さじ1と1/2
A オイスターソース …… 小さじ1/2
  醤油、酒 …… 各小さじ2
  ごま油 …… 小さじ1/2

【作り方】
1.
豚肉は塩、胡椒を振り、きゅうりに巻いて片栗粉を薄くまぶす。
2.フライパンにサラダ油を熱し、1の巻き終わりを下にして並べ、ときどき転がしながら焼き色をつけ、ふたをして2分くらい蒸し焼きにして火を通す。ふたをとり、Aを加えてからめる。粗熱をとって食べやすく切る。

きゅうりの酢醤油漬け

日持ち 冷蔵室で2〜3日
日持ち 冷蔵室で2〜3日

\作りおきしておき、毎食カリウム補給。/

【材料(作りやすい量)】
きゅうり …… 2本
生姜 …… 1/2片
塩 …… 少々
A だし …… 1/4カップ
  醤油 …… 小さじ2
  酢 …… 小さじ1/2
  粗びき黒胡椒、砂糖 …… 各少々

【作り方】
1.
きゅうりは1cm角くらいに切り、塩を振って5分くらいおき、水気をきる。生姜はみじん切りにする。
2.Aを合わせて1を漬け込み、2〜3時間おく。

  • 名取貴光

    名取貴光 さん

    食品成分研究者 医科学博士

    山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

  • 岩﨑啓子

    岩﨑啓子 さん

    管理栄養士 料理家

    聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

    ※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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