からだ

大人の髪、していいこと、悪いこと常識クイズ。

パサつく、うねる、なんだか印象が寂しい……そう感じたら、これまでの髪の手入れをアップデートしよう。毎日の積み重ねで大きな違いが出るはず。
毛髪診断士の伊熊奈美さんと齊藤あきさんがガイドします。
  • 撮影・中島慶子 イラストレーション・きりふみこ 文・恒本綾子

【大人の髪、 していいこと、悪いこと(常識○×クイズ)】

Q1.髪の傷みを防ぐには、シャンプーは夏でも週に2、3回がよい

A1=×

「肌質や季節にもよりますが、夏場や運動をした日は汗をかいて皮脂が溜まりやすくなるので、毎日洗うのがベター。頭皮は体の中でも皮脂分泌が盛んな場所なので毛穴が詰まりやすく、時間が経てば経つほど酸化して取れにくくなり、加齢臭の原因にも。ただし乾燥肌の人や冬場に一歩も外に出ていない日は、2日に1回でも問題ありません」(齊藤さん)

Q2.髪を育てるにはシャンプーは朝より夜がいい

A2=◯

「就寝中に成長ホルモンが出るので、夜寝る前に皮脂や汚れをしっかりオフして頭皮環境を整えること。また、朝洗うと完全に乾かしきれず、ムレの原因にもなります」(伊熊さん)

「天然の皮脂が出るまでには5時間くらいかかるので、朝シャンプーをしてから外出すると、紫外線をダイレクトに受け、頭皮や髪のダメージにも繋がります」(齊藤さん)

Q3.コンディショナーは髪の栄養なので頭皮にすり込む

A3=×

「コンディショナーやトリートメントはシリコン成分が入っているものが多く、頭皮につけると根元がぺったりとしてしまいます。充分に流しきれず、成分が頭皮に残って毛穴を詰まらせるリスクも。生え際は髪のダメージも少ないので、基本的には根元から5cmはつけなくてもOK。毛先など、傷みが気になる部分を中心にすり込むのが正解」(齊藤さん)

Q4.コンディショナーとトリートメントはどちらか一方でよい

A4=◯

「コンディショナーは指通りをよくするもの、トリートメントは内部修復するものと、それぞれ定義は違います。ですが、最近は両方の効果を兼ね備えている商品も多いので、どちらか一方で充分」(伊熊さん)

「ダメージヘアや剛毛の人はコクのあるトリートメント、ボリュームを出したい人は軽い質感のコンディショナーがおすすめです」(齊藤さん)

Q5.髪のためにはドライヤーを使わず、タオルドライで

A5=×

「タオルで水分を拭き取り、そのまま自然乾燥しようとすると、表面は乾いても内側はなかなか乾きません。すると、雑菌の温床になり、イヤなニオイのもとに。また、ドライヤーを使うことでキューティクルのキメが整い、ツヤが出ます」(伊熊さん)

「濡れたまま放置していると、髪内部の水分が蒸発。逆にパサつきや広がりが出やすくなります」(齊藤さん)

Q6.シャンプーは汚れが溜まる頭皮を中心に洗えばいい

A6=◯

「重点的に洗いたいのは、皮脂が出やすく、薄毛などのトラブルも多発する髪のTゾーン(額の生え際+モヒカンライン)。ここを指の腹を使ってもみほぐすように丁寧に洗ってください。髪の毛はすすぐ際に泡が行き渡る程度でOK。濡れた状態の髪を強くこすってしまうと、髪の内部成分の流出を防ぐキューティクルがはがれてしまいます」(伊熊さん)

Q7.ブラッシングは摩擦が起きるのでなるべく控える

A7=×

「若い頃との考え方の違いは、ブラッシングは髪ではなく、スカルプに対して行うものだということ。巡りが悪くなると頭皮が硬くなり、毛根に充分な栄養が行き渡らなくなるので、しっかりほぐしてあげることが大切。髪がもつれているところを無理に引っ張るのはNGですが、頭皮マッサージの感覚で朝と晩、1日2回は行うようにしてください」(伊熊さん)

Q8.ドライヤーは高熱で乾かすのが髪によい

A8=×

「濡れた髪のタンパク質はだいたい70℃くらいで変性します。それを防ぐためにも、70度以上の温度のドライヤーを使っている場合は、髪から15㎝以上離し、1カ所に集中して当てないよう注意が必要」(齊藤さん)

「大風量のドライヤーを使い、60度くらいの低温で一気に乾かすのがポイント。ツヤを出すために最後の仕上げのみ高温で」(伊熊さん)

 50歳を過ぎたら、へアケアの基本の見直しどきです。

ボリュームが減ったり、パサついたり、50歳を過ぎると髪の悩みが顕著に。

「ですが、髪は人の印象を左右する重要な部分。髪は顔の額縁の役割を果たしていて、幅が太いと中の絵が小さく見えるように、ボリュームがあれば顔も小さく見えますが、逆にぺたんとしていると顔が大きく見えてしまいます」(美容エディター・伊熊奈美さん)

清潔感のある印象を与え、見た目年齢をより若々しく見せるためには、ふんわりとしたボリューム感、そして潤いに満ちたツヤ感が何よりも大切。

「髪は光を反射するレフ板のような役割もあり、ツヤがあれば顔も明るくイキイキとして見えます。しかし、肌と一緒で髪の水分と油分は年齢とともに減少してしまうので、日頃からたっぷり保湿と油分、タンパク質の補給を行うことが大切」(パーソナルビューティプロデューサー・齊藤あきさん)

保湿のほか、毛髪の衰えの進行を食い止めるために必要なケアとは?

「ヘアケアはスキンケアの延長と考えるとわかりやすい。肌の三大原則と同じで、保湿はもちろん、しっかりした洗浄とUVケアは必須です」(伊熊さん)

「ツヤがなくなる原因は、紫外線や誤ったドライヤーのかけ方によってキューティクルのキメが乱れること。また、頭皮に古い角質や皮脂が溜まっていると髪の毛に栄養が行き届かず、ボリュームを失う要因に。週に1回はスペシャルケアとしてスカルプクレンジングを取り入れてみてください」(齊藤さん)

[大人の髪に必要なもの = ボリューム&適度な油分と水分によるツヤ感]

[大人の髪のこれが敵! = 乾燥・古い皮脂・紫外線]

加齢とともに減少していくボリューム、ツヤ、うるおいも、日々のヘアケアで改善することが可能。
伊熊奈美

伊熊奈美 さん (いくま ・  なみ)

美容エディター

毛髪診断士、毛髪技能士。さまざまな雑誌やWEBで美髪にまつわる記事を執筆。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)。

齊藤あき

齊藤あき さん (さいとう・あき)

パーソナルビューティプロデューサー

毛髪診断士、一般社団法人日本美髪協会代表。テレビやセミナーで活躍するほか、化粧品も開発。監修本『美髪ケア大全』(主婦の友社)。

『クロワッサン』1068号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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