【基本動作編】古武術の身体の使い方に学ぶ、らくらく介護術入門。
介護の場面に大いに役立つ合理的で正確なカラダの使い方を、「古武術介護」を提案する理学療法士の岡田慎一郎さんに教わります。
撮影・岩本慶三 文・天田 泉 モデル・くらさわかずえ スタイリスト・高島聖子 ヘア&メイク・村田真弓
(基本動作3)骨盤と腰をまっすぐにして安定を【前傾姿勢】
椅子やベッドから立つ・立たせるなど、介護は前傾姿勢をとる場面が多い。骨盤と腰をまっすぐに保ち、股関節から曲げると姿勢が安定して、ラクに人を支えられる。
(A)お尻のしわを伸ばすようにして、前にかがむと、股関節が自然に曲がる。
(B)足を前後に広げて立ち、うしろ側の足のつま先を外側に向けて軽く両ひざを曲げる。
(NG!)一見きれいな姿勢だが、腰から曲げていて、かつ両ひざがのびているため不安定。腰に負荷がかかり、痛める原因にも。
(基本動作4)背中と腕を連動して力を引き出す【手のひら返し】
肩甲骨を左右に広げると、背中と腕が連動して大きな力が出せる。人を支えるときも手首やひじ、肩への負担が減り、痛めにくくなる。子どもを抱っこするときにも。
(1)手の甲を自分のほうに向けて、腕をまわすと、肩甲骨が左右に広がる。
(2)背中の適度なはりを保ちながら、手首だけをくるっと返すと、手のひらで相手を抱きかかえやすくなる。
(後ろから見ると)
手のひらにゴムがついた作業用手袋は、すべりにくくムダな力が入らないため介護におすすめ。指先の第2関節でカットすると、相手の動きを感じ取りやすい。
『クロワッサン特別編集 介護の「困った」が消える本。』(2021年9月30日発売)
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