マスク、スマホの見過ぎ、メンタルダウン…肌の緊急事態を乗り切るための処方箋。
この数年で加速したシミ、しわ、たるみ。
放置していては、事態は一層深刻に。
正しく守るスキンケア、効果的に攻めるメイクで、自信が持てる笑顔、取り戻しましょう。
撮影・青木和義 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・西秋愛菜 イラストレーション・谷本ヨーコ 文・小沢緑子
まだまだ続く肌の緊急事態、乗り切るための術を身につけよう。
コロナ禍でのマスク生活も早2年。
「こんなにマスク生活が続くのは今までになかったこと。エイジングの肌悩みとは別に、マスクによる肌トラブルが生じやすくなるのは当然だと思います」と、皮膚科専門医の慶田朋子さん。
美容の世界で“マスク荒れ” “マスクたるみ”という言葉が登場し始めたのはコロナ禍1年目の2020年と、美容コーディネーターの弓気田みずほさん。
「最初はマスクによる肌環境の変化に戸惑う声や内容が多かったのですが、今は経験値も上がり、ウィズマスクを模索する段階に。ただ、このコロナ禍を経て美容への意識がより高まり、おこもり美容に励む人と、マスク姿に油断して日常のケアが疎かになりがちな人と2極化しているように感じます」
マスクによる肌トラブルは、基本のケアが何よりも大切。
実際の症例を聞いてみると、
「肌荒れ、乾燥、ニキビのほかにも、マスクで皮膚が擦れることによる赤み、かゆみや湿疹などを伴うマスク皮膚炎、シミや肝斑の悪化などが見られます。
肌が刺激に敏感になっていますから、基本の丁寧かつ低刺激なスキンケアで肌をいたわることが急務。さらに美肌作りの土台となる生活習慣をより丁寧に気遣い、肌と体の両方の健康を保つことが大切です」(慶田さん)
肌も体も心もつながっている。元気になれる処方箋を持とう。
マスクに限らず、精神的ストレスや生活の乱れも肌への負担に。この緊急事態を乗り切るためには、今あるリスクを把握し「このケアさえ行えば大丈夫」と思える自分なりの処方箋を持っていると心強い。
「たとえば最近、メイク市場では口紅の人気が復活しています。それも外出時や他人の目を意識して塗るのではなく、もっとポジティブに家にいても自分の気持ちを明るくしたり、鼓舞するために楽しもうという人が増えているんです」(弓気田さん)
いつかくるマスクを外して過ごせる日に備え、肌も体も心も整えていこう。