からだ

25歳のひとり娘に、避妊のことなどを、どう話していいかわかりません。【89歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 構成・越川典子

Q. 25歳のひとり娘に、 避妊のことなどを、どう 話していいかわかりません。

娘のことで相談です。25歳、就職して3年目に一人暮らしをしたいと言い出しています。帰宅も遅く、ときどき外泊、下着も派手なものに変わってきていることもあり、つき合っている男性がいるのだと思います。娘には小学生のころ月経の話をしたきり、避妊について話したことがありません。私自身、更年期の症状で体調の波があり、うまく話せる自信がありません。野末先生、アドバイスいただけますでしょうか(K・Mさん・51歳・主婦)

A. いまが自分の体調を整え、お嬢さんとも話し合う絶好の機会と考えて。

K・Mさん、ご自身の更年期症状がある中、お嬢さんのご心配も重なり、ご心労お察しいたします。ちょうど更年期は、子どもの手が離れたり、親の介護が始まったり、夫との関係が変化したりと、環境・人間関係が変わるとき。でも逆に、いまこそ女性同士、じっくり話し合える好機ともいえます。

私からご提案したいのは、まずご自身のカラダの変化をお嬢さんに伝えること。ある年齢になったら、母も娘もひとりの女性です。つらいこと、気持ちのゆらぎ……謙虚に正直に、悩みを相談してみてください。更年期の治療を始めて、その経過を共有したり、ご一緒に婦人科検診を受けたりしてはいかがでしょう。そんなタイミングで、お嬢さんのことを心配していることを、冷静にお話しすればよいと思います。

ピル内服率の国別比較

アジア諸国の中でも、ピル利用率が低い日本。女性たちがカラダのことを「自分で選択できる・できない」の違いのようにも見えてくる。 資料提供:国連「避妊法(Contraceptive Use by Method)2019」

ご相談の言葉からすると、望まぬ妊娠などをご心配されていると拝察します。避妊の知識は、独身・既婚を問わず、常識、心得と思ってください。低用量ピルや緊急避妊薬(アフターピル)についても、正しく知る必要があります。そのためにも、「婦人科医をかかりつけ医に」してほしいのです。

日本では、初めて婦人科にかかるのは、妊娠か不妊治療かのどちらかが多いのですが、初潮が始まる10代から母親と同じ婦人科にかかる習慣があれば、カラダの影響が人生に与える影響が大きい女性の、どれだけチカラになってくれるでしょう。いわば、人生の伴走者です。お嬢さんのこれからのキャリアのために、医療の知識が自分を守るということを、ぜひお伝えください。もちろん、K・Mさんの人生のためにも。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

母娘で同じ婦人科をかかりつけ医にするのはおすすめ。(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1054号より

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