肩が痛い時に押すべき、もむべき場所は? 腕の可動域を高めて肩の痛みを軽減。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓
【肩の痛み】
頭が前に出る姿勢では頚椎と肩甲骨をつなぐ肩甲挙筋という筋肉が緊張する。その結果、肩甲骨が動く範囲が狭まり、腕の動きも制限されて肩関節に痛みが現れる。腕の可動域を高めることが解決策。
肩の痛みへのアプローチ(1)脇の下を親指で押す。
肩関節周囲の構造は非常に複雑。とくに、脇の下には腕と肩、肩甲骨をつなぐ筋肉が集中している。この部位が硬くなると、肩甲骨が固まって肩の動きに制限がかかり、痛みの元に。
逆にこれらの筋肉をほぐすと、肩と肩甲骨の位置が本来のポジションに戻る。正常な位置につけば、筋肉や関節は機能を取り戻す。姿勢の改善や肩の痛みの軽減が期待できるはず。
椅子に座り、左手をまっすぐ伸ばし右手の親指を脇の下に当てる。
脇の下の手前のすじの奥を狙う。ぐりぐり揉まずに押すだけ。
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手首を内側に返し、親指で脇の下を押し上げる。逆も行う。
(手の形)
手の形は4本指を肩にひっかけて親指で脇の下を押し上げる。
肩の痛みへのアプローチ(2)二の腕をつかんで曲げ伸ばしする。
肩甲骨の動きが悪くなることで制限されるのは二の腕の動き。とくに、肘の関節を曲げる上腕筋という深層の筋肉の動きに制限がかかることで肩への負担が増し、ますます痛みに拍車がかかる。
そこで、肘関節の近くにある上腕筋に手で圧をかけながら関節を動かす練習。頭が前に出る悪い姿勢の改善ととともに、上腕の動きを滑らかにする。双方向からのアプローチを。
手のひらを上にして左手を伸ばし、右手で肘関節のやや上をつかむ。
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そのまま肘の関節を曲げて前腕を体に近づける。反対も。
(手の形)
人差し指から小指の4本指を肘の内側に置き、親指で肘を支える。
『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。