からだ

閉経後、デリケートゾーンが過敏になりました。【88歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 構成・越川典子

Q. 閉経後、 デリケートゾーンが過敏になりました。

2年半ほど前に、閉経しています。尿漏れも少しあり、尿とりパッドを使っているのですが、最近、パッドのへりが当たると痛くなるほど過敏になっています。トイレットペーパーでうっかり強めに拭いてしまうと、飛び上がるほど痛くて、血がにじむこともあります。ホルモン補充療法(HRT)で改善しますか。また、アレルギー体質なのか、肌がよくかぶれることがあります。それでも治療は受けられますか。(M・Gさん・55歳・会社員)

A. HRTが原因でアレルギー反応が出ることはないでしょう。

M・Gさん、ご質問をありがとうございます。デリケートゾーンの痛みや不快感、毎日ご不便を感じていらっしゃることと思います。

この連載では、ドライアイ、膀胱炎、性交痛などについて取り上げましたが、そのどれもがエストロゲン減少による皮膚や粘膜の乾燥が原因で引き起こされています。

M・Gさんの症状も同じですね。粘膜が薄くなり、かゆみやかぶれ、尿がしみるなど過敏になっているようです。HRTは、減ってしまった女性ホルモンを補充する方法ですので、根本的な治療といえます。傷がついているようでしたら、軟膏なども処方してもらい、早めに治療なさってください。デリケートゾーンの悩みは女性のQOL(生活の質)を大きく下げてしまいます。我慢などする必要はありませんよ。

デリケートゾーンの悩み

皮膚や粘膜のうるおいが失われるに従い、トラブルが発生しやすくなってくる。
不快症状は早めに専門医に診てもらおう。

アレルギー体質であることを心配なさっていますが、私の60年の婦人科医としての経験から申しますと、HRTでアレルギー反応が出たことはありません。もし問題が出た場合は、処方した医師と相談しつつ、投薬法や薬剤の種類を替えるなどして対応は可能です。何度もお伝えしていますが、HRTの治療経験が豊富な医師にかかりましょう。

さて、医療以外にも、ふだんの生活でできることはたくさんあります。排尿時に、ペーパーでごしごしこするのは厳禁。そっと当てて水分をとるようにする。おりものシートや尿とりパッドはつけっぱなしにせず、こまめに替える。きつい下着はやめて、綿やシルク素材を選ぶ。いまは、デリケートゾーン専用のソープ、マッサージオイルも出てきていますので、利用するのもいいですね。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

更年期治療とセルフケアと、両輪で自分を快適に!
(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1048号より

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