疲労回復には6時間以上の睡眠、その理由とは?【疲れない睡眠のコツ】
その日の疲れはその日のうちにとることが、 疲れをためないための鉄則。 その早道のひとつが、睡眠の質を高めること。 眠り方のコツを、東京 疲労・睡眠クリニックの梶本修身さんに聞きました。
イラストレーション・松元まり子 文・佐野由佳、小沢緑子
睡眠は「6時間以上」しっかりとる。
睡眠不足が日常化すると疲労がどんどん蓄積されていきます。多少の個人差はありますが、睡眠時間は「6時間以上」が目安です。
日中に仕事や運動をしたり、紫外線を浴びると、大量の活性酸素と「疲労因子FF」という物質が発生し、これが疲労感をもたらします。
疲労因子FFが生じると、それに反応して「疲労回復因子FR」が現れ、疲労因子FFを減らすと同時に、酸化ストレスで傷ついた細胞を修復していきます。
この反応は24時間、行われていますが、活発に活動している間は疲労因子FFが出続けるため、リカバリーが追いつきません。
細胞の回復が進むのは、日中と比べて疲労因子FFの数が減る睡眠中です。睡眠には、浅い「レム睡眠」と、深い「ノンレム睡眠」があり、一定の周期で切り替わっています。
疲労回復因子FRの働きを促して疲労をとるには、深い眠りが3~4回あるのが理想とされるため、最低でも6時間は必要なのです。
『Dr.クロワッサン 新装版 疲れないコツ』(2019年7月29日発行)より。