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食事で骨の健康を保つためのコツ。

骨を丈夫にするためには日々の食事が大切です。
でも、難しく考える必要はありません。
大切なのは骨に有効な食材と、効率良く摂るためのコツを覚えておくこと。
そこにはちょっとした法則がありました。

文・葛山あかね 撮影・岩本慶三 イラストレーション・松元まり子

初めに下のCHECK SHEETを見てください。一見、なんてことのない普通の献立ですが、実はこれ1食で1日に必要なカルシウム(約600mg)の3分の1を補うことができるんです。

CHECK SHEET

【食事で骨の健康を保てていますか?】

●大豆や納豆、豆腐、油揚げなどの大豆製品を食べているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

●小松菜やほうれん草などの青菜を食べているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

●じゃこや干しエビなどの小魚類を食べているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

●肉や魚を食べているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

●牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を摂っているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

●1日3食、食べているか?
▢ 毎日摂る ▢ ときどき摂る ▢ ほとんど摂らない

「ほとんど摂らない」に1つでもチェックがついていたら、骨づくりに必要な栄養が不足している可能性があります。「ときどき摂る」が多かった人も要注意です。

食事で骨の健康を保つためのコツ。

「ちょっとしたコツを覚えれば、いつもの食材を使って、無理なくヘルシーに骨力を上げることができますよ」と牧野直子さん。

まず覚えておきたいコツ、その1。骨の材料になるカルシウムはもちろん、カルシウムの働きを助ける食材をきちんと摂ること。

「カルシウムだけを摂っていても吸収が悪ければ意味がありません。必要なのはビタミンDです。またカルシウムの流出を防ぐビタミンKを摂ることも丈夫な骨づくりには大切」

ビタミンDやKと言われてもあまりなじみがないという方、ご安心を。効率良く摂れる一石二鳥な食材があります。

コツ、その2。毎日摂りたい「青菜」「小魚」「大豆製品」。

「小松菜や水菜などの青菜類はカルシウムとともにビタミンKが豊富ですし、しらすや桜エビ、骨まで丸ごと食べられるイワシやサバの缶詰などからはカルシウムとビタミンDが充分に補えます。また大豆製品は、カルシウムはもとより、その吸収に必要不可欠なマグネシウムが同時に摂れる優れものなんです」

ちなみに牛乳などの乳製品は優秀なカルシウム源ですが、多く摂ってもマグネシウムが不足していれば体内でうまく吸収することができず、結局無駄になってしまうとか。

コツ、その3。積極的に活用したい青菜や大豆製品など植物性食材に含まれるカルシウムは「『酢』あるいは『動物性たんぱく質』と一緒に摂るとその吸収率がアップします」。

例えば“大豆のポークビーンズ”は豚肉を合わせることで、大豆に含まれるカルシウムが効率的に吸収されることに。

そして献立を作る上で何より重要なのは、

「一つの食材や単品で考えるのではなく、主菜と副菜という食事全体で必要な栄養を摂るようにすること。そうすれば骨の原料になるたんぱく質やコラーゲンの生成に必要なビタミンCなども必然的に補えるはず」

まずはコツを参考に、骨太な食生活を始めてみましょう。

  • 牧野直子

    牧野直子 さん (まきの・なおこ)

    料理研究家

    管理栄養士・ダイエットコーディネーターでもある牧野さんが提案するのは、手軽で簡単、しかも栄養バランスに優れた料理の数々。雑誌やテレビ、講演会などで幅広く活躍中。著書も多数。

『Dr.クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる』(2020年3月28日発行)より。

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