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なぜ乾く? 皮膚と体内のアンチエイジングの専門家が解説する8つのキーワード

憎き敵・乾きを解消したいなら、そのメカニズムを把握するのが先決。
皮膚と体内のアンチエイジングに詳しい形成美容外科医、松宮詩依さんが、キーワードを元に解説。

イラストレーション・黒猫まな子 文・板倉みきこ

【 細胞の量と質 】

●加齢とともに数が減り、質も低下。細胞レベルの老化が乾燥を生む。

私たちのからだは骨と歯の一部以外、全て細胞でできている。

「細胞は常に新陳代謝し、新しいものに作り変えられています。ただ、加齢で細胞を作る力は衰え、数も減少。代謝をする際、エネルギーと水が生成されているので、細胞の数が減れば、代謝でもたらされる水も少なくなります。その結果、細胞内の水分量は減少し、質も低下。細胞の質と量が、からだの乾燥に影響を及ぼしているのです」(形成美容外科医・松宮詩依さん)

体内の細胞は数十兆個。新しく作られる数が減れば、質も悪化するという悲しい悪循環。
体内の細胞は数十兆個。新しく作られる数が減れば、質も悪化するという悲しい悪循環。

【 水分コントロール 】

●飲む水の量だけでなく、出ていく尿の量にも気を配っていこう。

新生児で約75%あった体内の水分量は、50代で50%程度に減少。

「そもそも水分量は減っているのに、高齢者ほど飲む水の量も減りがちなんです。喉の渇きを察知する感覚は老化で衰えてしまうので、渇きを感じていなくても水を飲むクセをつけてほしいです。また、尿の量にも注目を。血糖値が高すぎると利尿作用が働いて尿の排出量も増加し、乾燥の原因になります。血糖値のコントロールが、水分量維持に寄与します」

水分量の減少は、乾燥にも直結。子どもの頃のプルプル肌は、水分量70%のなせる業。
水分量の減少は、乾燥にも直結。子どもの頃のプルプル肌は、水分量70%のなせる業。

【 外的刺激 】

●冷気や水の刺激も大敵。肌へのストレスを極力軽減させて。

乾燥した部位には、クリームなどでの保湿に気を配りがちだが、外の刺激から肌を守ることも大事。

「風が当たる、熱い湯を浴び続けるなど物理的な刺激が、乾燥を加速させていることも多いんです。強風、冷気は肌への強いストレス。外に出る時、眼鏡や帽子、マフラーなどで覆い、肌へのストレスを減らしてみたり、熱いシャワーを長時間浴びないようにするだけでも、肌の乾燥度合いはかなり変わりますよ」

冬の乾燥した冷気は肌にとってストレス過多。なるべく当たらないようにするのも肌のため。
冬の乾燥した冷気は肌にとってストレス過多。なるべく当たらないようにするのも肌のため。

【 自律神経 】

●肌の乾燥や痒みには、自律神経の乱れの影響も大。

からだの免疫機能のバランス維持に携わる自律神経の乱れから、肌の乾燥やかゆみ、アレルギー症状が出ている可能性も。

「ストレスを多く感じると自律神経が乱れ、肌荒れに悩まされる人は多いでしょう。自律神経の乱れには、からだの内側からのケアが必須で、一番大事なのは睡眠です。睡眠中は新陳代謝に関わる成長ホルモンや、細胞を修復するメラトニンが分泌されますが、良質な睡眠であるほど分泌量が増えるからです」

自律神経の交感神経が優位になりすぎると、肌トラブルは悪化。バランスを整えよう。
自律神経の交感神経が優位になりすぎると、肌トラブルは悪化。バランスを整えよう。
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