ホルモン補充療法を始めてみたいと思ったら。医師に聞くQ&A。
検査と相談で治療法を決める。
文・韮澤恵理 撮影・黒川ひろみ イラスト・ノグチ・ユミコ
[ ホルモン補充療法を始める ]
ホルモン補充療法を始めてみたいと思ったら、まず婦人科を受診し、自分の体に適しているかをはじめ、各種のチェックを受けることからスタートです。
【受診】
困っている症状などを話します。ここ数年の月経の状況や、婦人科をはじめ、既往歴などがあれば報告し、健康診断の結果などがあれば持参しましょう。
● 一番困っている症状
● その他の症状
● 婦人科の既往歴
● 乳がんやその既往歴
● 子宮内膜がんやその他の既往歴
● 糖尿病や高血圧などの持病
● その他の持病や既往歴
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【検査】
ホルモン補充療法を始める前に受ける検査です。安全に薬を続けるための基本検査であるとともに、現在の体の状態を知るためのよい機会にもなります。
●身体測定
身長、体重、血圧などを測る。
●血液検査
女性ホルモン量、コレステロール値や血糖値、肝機能値、貧血の有無などを調べる。
●尿検査
ホルモン量、脂質、肝機能、腎機能などがわかります。
●子宮・卵巣超音波
子宮や卵巣の状態をチェック。
●乳がん検診
乳がんの有無を調べる
●細胞診
子宮頸がん、体がん、その他の婦人科疾患のチェック。
●骨量測定
現在の骨量を調べる。
●その他
医療機関によっては、同時に心電図検査、動脈硬化検査、筋肉量や内臓脂肪の測定、その他のホルモン量検査、心理テストなどを行うことも。
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【開始】
開始後も定期的に上記の検査のうち必要なものを受ける。
更年期症状だけでなく、健康管理の強い味方
ホルモン補充療法のスタートはまず婦人科の受診。不調の原因が女性ホルモンの減少にあるかを確認することがファーストステップです。
そのためには血液検査による女性ホルモン量チェックが基本。血液検査では同時にコレステロール値や血糖値、肝機能値などを調べ、他に病気がないかも確認します。加えて子宮や卵巣の超音波検査や乳がん検診、さらに骨量の測定などこの時期に起こりやすい病気や症状をチェック。この検査を受けるだけでも健康管理につながります。
不調の原因が女性ホルモンの減少とわかったら、低用量の薬からスタートし、様子を見て調整していきます。
更年期症状だけでなく、更年期後の健康管理にも役立つので、いつからでも遅すぎることはありません。