からだ

細胞も血管も酸化で老化。抗酸化食材で防御しよう!

  • 文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション: ヤマグチ・カヨ

毛細血管を増やしてくれる3つの食材にも注目したい!

実は毛細血管をぐんぐん増やしてくれる食材が見つかっています。それが、シナモン、ヒハツ(ヒバーチ)、ルイボスティーです。

シナモンはスパイスとしておなじみですが、漢方の生薬でもあります。

ヒハツは沖縄では類似種がヒバーチの名で親しまれている香辛料で、黒こしょうの原種ともいわれています。黒こしょうにも同様の成分が含まれている可能性がありますが、はっきりした分析データはまだないようです。

ヒハツもシナモンも、必要量は1日数ミリグラムで十分。摂りすぎは負担になるのでご注意を。

これらに共通するのはピペリンという成分が含まれていることで、毛細血管にあるTie2(タイツー)(下参照)を活性化する働きがあります。このため血管壁の状態が改善し、ゴースト化した血管を復元したり、血管自体を増やすことにつながります。

ピペリンは血液中の一酸化窒素を増やして血管壁を拡張するため、血流をアップさせ、血圧を下げる働きもあることがわかってきています。

[ 血管内皮細胞にいいTie2を含む食材 ]

一重構造の毛細血管は内皮細胞によってできている。
内皮細胞を健康に保つ働きが証明されている3種の神食材を。

ヒハツ(ヒバーチ)

黒こしょうの原種ともいわれ、沖縄では一般的なスパイス。独特の香りがあるので、炒め物や汁物に使うほか、炊き込みご飯にもいい。香りが好きならご飯に一振りしても。

シナモン

ニッケイ属といわれる樹木の皮。肉桂ともいい、漢方では桂皮(けいひ)という生薬。スティックと粉末が市販されているが効果は同じ。香りがよく、ミルクティーやカフェオレに加えるほか、ジャムなどにも合う。

ルイボスティー

南アフリカ共和国のケープタウン近くにだけ生育するルイボスという針葉樹の葉を乾燥させたもの。強い抗酸化効果があるほか、さまざまな健康効果が明らかになってきている。美しい赤色が特徴で、ティーバッグなどもたくさん市販されている。

【Tie2ってなに?】
Tie2とは、毛細血管の内皮細胞にある受容体で、血管の健康を保つ成分を受け止める働きがある。これが活性化することで内皮細胞と周皮細胞がしっかりと密着し、血管内から細胞へと受け渡される血液成分の量が正常に保たれる。

根来秀行

監修

根来秀行 さん (ねごろ・ひでゆき)

医師、医学博士。

東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、フランス国立保健医学研究機構客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。『毛細血管は増やすが勝ち!』(集英社)、『ホルモンを活かせば、一生老化しない』(PHP研究所)、『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』(幻冬舎)、『【図解】毛細血管が寿命をのばす』(青春出版社)など著書多数。

『Dr.クロワッサン 毛細血管を増やして、血流力をつける!」(2018年11月15日発行)より。

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