リンパの流れを助ける、お風呂での体の洗い方、流し方。
せっかくきちんとお風呂タイムをとるなら、できるだけ体に効果的な入り方をしたいもの。
体を洗うついでに滞りがちなリンパも流せます。
文:韮澤恵理 イラストレーション ヤマグチ・カヨ
自力で巡っているリンパ液は 洗い方、流し方で応援する
お風呂では、適切な温度や時間、ながら運動とともに、洗い方を工夫してリンパを流すのも効果的。リンパ液は、血管に沿って存在するリンパ管の中を通り、全身を巡って細胞の老廃物などを排出する役割を果たしています。
血管はグルグルと巡る組織で、心臓が血液のポンプ機能を担っているのに対し、リンパ管は末端の毛細リンパ管が、だんだんまとまって太くなり、最後は胸の近くで静脈に流れ込む一方通行です。途中にリンパ節という関所があり、細菌やがん細胞などをせき止める働きをしています。
毛細リンパ管は毛細血管から漏れ出す水分を受け取ったり、血管が回収できない老廃物を運び去ってくれます。
しかし、心臓のようなポンプ機能をもたないので、重力で末端に停滞しがちですが、リンパ液もしっかり流すとデトックス効果が上がります。
そのため、リンパの流れを促す入浴法を行うと効果抜群なのです。
ギューギューと押し上げるリンパマッサージは実は意味がありません。軽く滑らせるように皮膚表面のリンパ液を流すことと、運動によって深めのリンパ液を流すのが効果の上がる方法。
入浴時には皮膚表面の毛細血管が広がるので、同時にリンパの流れを助けると毒素排出効果が上がります。
やり方は簡単。ぬるめの湯に5分程度浸かったあと、後述する「リンパ節の位置とリンパ流しボディークリーン 」の図を参考にスポンジやボディータオルで首から手先に向かって洗いながらリンパ液を流し、その後、背中、腰、お尻、太もも、ひざ、足先というふうに上から下へと洗っていきます。
終わったら、洗うのとは逆の順に、足先から首、手先から首と、最終的に胸のリンパ節から静脈へと流し込むように圧をかけて流します。
[ リンパの流れを助ける知恵とコツ ]
【あらかじめリンパ押し】
リンパ流しで体を洗う前に、リンパの関所であるリンパ節を軽く押してほぐしておくと、より巡り効果が上がる。
【寝起きの悪い人は熱めの朝シャワー】
寝起きが悪く、午前中ぼんやりしている人は朝、熱いシャワーで交感神経優位にスイッチするのがおすすめ。朝食後に熱めのシャワーを手早く浴びるとシャキッと目覚め、体内時計のリセットにも役立ちます。