ピラティストレーナーの千葉絵美さんが考案したのが、手ぬぐいを使って行うトレーニング、“手ぬトレ(R)”。結んだり、輪にした手ぬぐいを補助具に使うことで、運動経験のない人でも正しい姿勢を維持でき、刺激を与えたい筋肉に効果的にアプローチできる。
「筋肉を緩ませ、引き締めることで、普段の体の使い方の癖を改善できますが、間違った姿勢で行えば効果が出ないどころか、体の歪みを助長させてしまう可能性もあります。手ぬぐいは、ストレッチ用のチューブを使うより適切なテンションをかけられます。また、タオルよりも掴みやすく、結んで使いやすいのでとても万能なんです」
今回、千葉さんがストレッチすべきポイントとして挙げたのが、骨盤底筋群。骨盤の下部の恥骨、坐骨、尾骨に連なり、ハンモックのような形状で臓器を下から支えている。骨盤の安定感にも関わる、重要な筋肉群だ。
「女性ホルモンの分泌を司る、唯一の筋肉とも言われているので、老化予防に注目すべき場所です。衰えると、尿もれや頻尿、骨盤底臓器脱などをもたらしますし、上半身の体重を支えて受け止める、骨盤の安定感も低下。他の筋肉同様、加齢とともに衰えますが、普段意識しづらい場所ですし、ストレッチしたり刺激することも忘れがちなので、老化を加速させてしまうのです」
骨盤底筋群を鍛え柔軟性をアップさせれば、ホルモンの分泌を促せ、全身の安定感も増すというワケだ。今回、骨盤底筋用に千葉さんが考案してくれたメソッドが、“基本”とプラスαの2段階。鼠蹊部を緩ませ、骨盤底筋群にアプローチしやすくしてから、骨盤の要、仙腸関節を緩ませ締めるのが“基本”。
「骨盤の中心の仙骨と、その左右にある腸骨をつなぐ仙腸関節を緩ませて締めると、骨盤の歪みと骨盤底筋群の機能が改善しやすくなります。さらに、骨盤底筋群と連なる内転筋群(太もも内側)を刺激すれば、骨盤底筋群の柔軟性と機能も高まります」
千葉絵美さん
ピラティストレーナー
女性限定のピラティススタジオ「スタジオ エミ銀座スタジオ」主宰。現在、オンラインレッスンも開催中。http://www.studio-emi.jp