にごり? メラニン? 老化…? 透明感の大敵、黄ぐすみを知る。
撮影・久々江 満 イラストレーション・木下綾乃 文・今井 恵
タンパク質+糖の化学反応で起きる糖化が黄ぐすみの大きな原因に。
きれいにメイクしても、肌がどんより。なぜか健康的に輝かない。せっかくのアイメイクや口紅が映えない。その原因は、黄ぐすみかもしれません。
「黄ぐすみが起きる大きな原因は、加齢によって肌にメラニン色素が多くなること。そして糖化です」
と、ポーラ研究所主任研究員の多田明弘さん。
肌の糖化とは? 簡単にいえば、食パンを焼くとこんがり茶色に色が変わる。それが肌で起きてしまうという。
「体内のタンパク質と糖が結びついて起きる化学反応を糖化といいます。それによって生まれるのが、AGEs(エー・ジー・イー)(糖化反応最終生成物)という老化物質。これが肌に蓄積されると、黄ぐすみや肌の弾力の低下などが起きます」(多田さん)
魚を焼くと焦げ目がつくのも糖化、炊いたご飯が、時間とともに硬く、黄色くなっていくのも糖化である。
「糖化が起きた肌は、黄ぐすみが起きるのと同時に、表面がごわつき、化粧のノリが悪くなります」(多田さん)
また下の図からもわかるように、AGEの値は年齢と相関があり、歳をとると糖化が進む。しかし、原因は年齢だけではない。
「30代でAGEsが多い人もいれば、40代後半でも少ない人がいます。これには食事の影響が大きいと考えられ、糖質の少ない食事を心がけるだけでも、糖化を抑えることになります。また糖化を抑える成分を配合した化粧品を使う。さらに微量な紫外線でも糖化を進めるので、朝のメイク時には日焼け止めを使うことも大切です」(多田さん)
そして注目すべきは、糖化は目や歯といった部分にも現れること。
「白目が濁る、歯や爪が黄色くなるのも糖化が原因のひとつといわれています。黄ぐすみは老けた印象を与えがちなので、早めの対処を」(多田さん)
AGEsと年齢の関連性
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