からだ

どうしても気になるシミには、コンシーラーを活用。

悩ましいシミやたるみという肌ノイズを封じ込めるのではなく、自然にカモフラージュする、目からウロコのメイクテクニックをヘア&メイクアップアーティストの長井かおりさんに教わります。
  • 撮影・玉置順子(t.cube/モデル)、久々江 満(商品) スタイリング・日置 彩 ヘア&メイク・長井かおり モデル・樹神 イラストレーション・さとうあゆみ 文・片岡えり

肌ノイズを完璧に消すことよりいきいきした素肌感を優先。

白ジャージートップス1万9000円(リバー) シルバーイヤリング1万7000円(バフ TEL.0154-38-2600)

シミはコンシーラーで隠す、というメイクの常識。「でも実はコンシーラーは、プロ向けといえるくらい、上手に使うのが難しいアイテム」と長井さん。「部分的に厚塗りになって浮いて見えたり、こすりすぎてファンデーションを剥がしてしまったり。また、隠した痕跡を感じると、その下に何があるのだろう、と探りたくなるのが人の心理です。そこに見せたくないものがあるとバレるくらいなら、シミが薄く透ける仕上がりのほうがはるかに若々しい。そして、自分では気になっても、小さなシミは誰も見ていないことに気づいてください。美肌ゾーンにファンデーションをしっかり塗った上で、さらなるカバーが必要か、見極めて」

【ルール1】遠目の美肌を目指しシミを探しにいかない。

シミを気にする人は、木を見て森を見ずになりがち。「虫眼鏡で見るようにシミだけにフォーカスし、全体を見ていないんです。でもよほど親密な関係でない限り、間近で肌を観察されることはありません。下地とファンデーション、眉やアイメイクも仕上げてから、遠目で全体の印象をチェックし、それでもやっぱり気になるシミがあるなら、ピンポイントでカバーしましょう」

拡大鏡でチェックする勢いで、間近で鏡を覗きこみ、わざわざシミを探しにいくのは意味のないこと。
腕1本ぶん離した鏡で、小さなシミ=点ではなく、肌全体=面をチェック。むしろ生え際や輪郭の厚塗り感、粉っぽさに注意。

【ルール2】まわりの肌になじむ色調節を徹底的に。

「コンシーラーを使う上で一番大事なポイントは、隠した痕跡を残さないこと。そのために、まわりの肌と違和感なくなじむ色を徹底的に吟味して。肌色より明るいコンシーラーではシミを隠すどころか悪目立ちする結果に」。顔の中でも、頬や目の下、口まわり、と部位によっても明るさや色調は違うもの。「素肌ではなく、ファンデーションで仕上げた肌色に合わせます。色をブレンドして微調整できるパレットがおすすめ」

1.植物成分で肌荒れを防いで、ビタミンC誘導体で美白まで。至れり尽くせり。ナチュラルホワイトニングコンシーラー〈医薬部外品〉SPF32・PA++ 5,500円(Mi MC TEL.03-6455-5165) 
2.なめらかにのび広がる濃淡3色。ソフトフォーカス効果でキメ細かな美肌に。アディクション パーフェクト コンシーラー コンパクト 4,500円(アディクション ビューティ TEL.0120-586-683) 
3.表情の動きにフィットし、シワも目立たない。絶妙な赤味で自然にカバー。クリエイティブコンシーラーe SPF25・PA+++ 3,500円(イプサお客さま窓口 TEL.0120-523543)

【ルール3】指を使わず、ツールを使ってやさしくトントン。

シミや色ムラをコンシーラーでカモフラージュするときに、もう一つ大事なポイントが、指を使わないこと。「指だと必要以上の力が入ってしまうので、シミの上にコンシーラーをのせているつもりが、なじませながら下のファンデーションまで削ぎ取ってしまっています。シミは隠れない上に、せっかくきれいに仕上げたファンデーションまで崩れることに。指ではなく、繊細にコントロールできる綿棒やスポンジの先端を使って、ターゲットに対して垂直にトントンとのせます。シミカバーは、広げず、こすらず」

ファンデーションで仕上げてから、気になるシミを狙って、綿棒やスポンジの先端で垂直にチョンチョン。

[ぼんやり大きなシミ → スポンジの先端を使用]

1.ファンデーションに使用したスポンジを再利用。ファンデーションが染みこんだ先端を指でギュッとつまみ、小さな面を作る。
2.つまんだ先端でコンシーラーの色を調節。大きなシミを隠す場合は、周囲の肌とぴったり同じ色に調整することが重要。
3.ぼんやりしたシミの上にフタをするように、スポンジの先端でトントン。滑らせるのはNG。仕上げにフェイスパウダーで押さえ、よれを防ぐ。

[小さく濃いシミ → 綿棒でピンポイント攻撃]

1.肌に当たる綿棒の先端を指の腹でつぶし、フラットに整える。このひと手間で、シミ部分にコンシーラーが面でしっかり密着する。
2.パレットの色を混ぜながら調節し、つぶした綿棒の先端にのせる。濃いシミをカムフラージュするなら、肌色と同じか、やや濃い色がベター。
3.シミの上に綿棒を垂直に当て、コンシーラーをチョンチョンとのせる。仕上げにフェイスパウダーでやさしく押さえ、よれないように固定。

長井かおり(ながい・かおり)さん●ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌やWebを中心に多くの美容企画を担当。理論的なメイクメソッドに人気があり、幅広い年齢の女性に支持されている。近著に『世界一わかりやすい メイクの教科書』(講談社)。

『クロワッサン』1015号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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