骨を正しい位置に整えて、太りにくい体を手に入れたい。【美容エディターの体形キープ術】
撮影・黒川ひろみ 文・今井 恵
足の裏は土台。そこを解放し、正しい骨の整列(ボーンライン)に。
Aproのパーソナルセッションでは、トレーナーが姿勢を分析し、凝り固まった筋肉をリリース(解放)して骨をニュートラルに戻す。それからピラティス、ヨガ、加圧をベースとしたオリジナルトレーニングで体のクセを直す。仕上げに、筋肉をほぐし、血流を促すことで代謝を上げ、引き締まった体へと導くという流れ。
「私はまだ体のクセが強いため、トレーニングまで行き着きません。リリースがメインです。まずは体のクセを自覚し、正しい立ち方、正しい姿勢を学んで動かさないと、どんなにダイエットやトレーニングをしても、いずれ元の形に戻るだろうということは、自分でもトレーニングを始めて実感できました」
MAKIさんはそんな藤井さんの体を、最初は足裏からほぐしていく。
「足裏は土台です。足裏の歪みは筋膜を通じて、足から上に影響を及ぼします。足裏をしっかり整えないと、たとえば上半身を直したとしても再び立った瞬間、土台から崩れてしまうんです」(MAKIさん)
「不思議なんですよ。足裏を揉まれているのに『あれ、今日はふくらはぎが痛い』『今日は腰が痛い』と感じるなど、日々反応が違って。それで、ああ筋膜はつながっているんだと思いました」
日常生活の中に気づきが増えた。自分でクセを直せるのがうれしい。
その後は下半身から順に、ローラーで凝りをほぐす。
「痛かったり、イタ気持ちよかったり。私は踏ん張る時に呼吸を止めちゃうらしく『ほら藤井さん、止まってる。ゆっくり息を吐いて〜』と言われ、ああ、いけない、いけないと、スーハー」
施術を受け始めてすぐ、立っている時に自分の足裏がしっかり地面を捉え、骨盤に乗って立つという感覚を覚えた。
「施術後に変化を感じるのも、続けるモチベーションにつながります。筋肉が正しい位置に戻るから手や首が伸び、顔もシュッと引き締まります」
さらに6カ月続けた今は、腱鞘炎や腰痛が出なくなり、太りにくくなってきた。何より大きいのは、メソッドを取り入れることで、日々の生活の中でクセに気づき、自分でも直せるようになったこと。
「49年間、この体で生活してきたんで、直すのはなかなか大変です(笑)。でも家事や洗面をしている時、MAKIさんの声がフッと頭に入ってきて、膝や足の指に力が入っているのを緩めたり、電車でつり革につかまりながら、アゴを少し引いたりと、自分で気づき、直せるようになったんです。その繰り返しのせいか、ふくらはぎが外側に張りがちだったのがまっすぐになってきたし、体のシルエットが少しずつ小さくなってきました」
もちろん女性として、ダイエットしたい、引き締めたいという気持ちはあるものの、今の考えは違うという。
「結果に焦る気持ちはありません。なぜなら今のクセや骨の位置が直ったら、きっとその先に太りにくい体、そしてきれいなシルエットが作れると信じていますから。今は自分の体との正しい付き合い方を学ぶ時期と考え、なるべく仕事の合間を見つけては通っています。私の年齢になると、その場しのぎの対処はいらないんです。むしろ10年後の体を考え、しっかり対処していかなければ、と思っています」
STUDIO Apro
『クロワッサン』1013号より
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