かぶとチキンの塩スープの作り方と3つのアレンジレシピ。
撮影・三東サイ スタイリング・矢口紀子 文・松本あかね
1日目、スタートは旬のかぶを使ったシンプルなスープから。
「ほどよく煮えたかぶとジューシーな鶏肉は、出来立てならでは」(堤人美さん)。次はごま油の香りが食欲をそそるナムルをトッピングして。スープが一段とおいしくなる2日目以降は、ベースの味をガラリと変えて楽しみます。トマトでさっぱりと、またはカマンベールチーズを散らしてクリーミーに。
少しの手間で、ご飯にもパンにも合う味に展開する、基本のスープからの3つのアレンジをご紹介。
レモンの香りがさわやか。骨付き肉を使った基本のスープ。
かぶとチキンの塩スープ
【材料(8人分)】
鶏もも骨付き肉800g(鍋用のぶつ切り)、レモンの輪切り4枚、かぶ6個、A[酒大さじ4、水8カップ]、オリーブ油大さじ1、にんにく2かけ、ナンプラー大さじ1、塩・こしょう各適量
【作り方】
1.鶏肉をポリ袋に入れ、塩小さじ1と1/2とこしょう少々、レモンで下味をつけ、15分ほど置く。にんにくはつぶす。
2.かぶは茎を2cmほど残して皮ごと4等分に切り、葉は4cm長さに切る。
3.鍋にオリーブ油を熱し、にんにくを弱火で炒め、香りが出たら、鶏肉を皮目から焼きつける。中火で転がしながら3分ほど。出てきた脂はペーパーで拭く。
4.3にかぶを入れて中火でさっと炒め、Aを加え、煮立ったら弱めの中火で10分ほど煮込む。アクが出てきたら除く。
5.かぶが柔らかくなったら1のレモン、ナンプラーを加えてひと煮し、塩・こしょう少々で味を調え、かぶと鶏肉を器に盛る。鍋にかぶの葉を入れてさっと煮て、レモンとともにかぶと鶏肉に合わせ、器にスープを注ぐ。
*具材が2種類だけのシンプルなスープは、さまざまな展開が可能。「かぶと鶏肉にちょうど火が通った煮えばながおいしい。骨付き肉を使えば長く煮込まなくても旨みが出ます。肉は手羽元でも」
(アレンジ1)生のクレソンをさっと和えたナムルを薬味感覚で。
クレソンのナムルのせ
【材料(2人分)】
上のスープ1/4量、クレソン2把、A[にんにくすりおろし少々、すりごま(白)大さじ1、ごま油大さじ1、しょうゆ小さじ1、塩・こしょう各少々]
【作り方】
1.スープを温める。クレソンは葉先を摘む。
2.Aをボウルに入れて混ぜ、クレソンを和え、器に盛ったスープにのせる。
*かぶと同じアブラナ科のクレソン。ピリッとした辛味の成分には食欲増進効果も。薬味の感覚でたっぷりのせれば、スプーンが止まらない新しい味わい。
(アレンジ2)旨みが溶け出したスープをトマトの酸味でさっぱりと。
きのことトマトのスープ
【材料(2人分)】
上のスープ1/4量、トマト水煮缶1/2缶(200g)、玉ねぎ1/4個、マッシュルーム4個、オリーブ油小さじ2、塩・こしょう各少々
【作り方】
1.玉ねぎとマッシュルームを薄切りにする。鍋にオリーブ油を入れ、中火で玉ねぎをさっと炒め、弱火にして蓋をし、10分ほど蒸らす。透き通ってしんなりしたらマッシュルームを加え、さっと炒める。
2.1にトマト缶をつぶしながら加え、スープを加えて煮立てる。
3.塩・こしょうで味を調える。
*「次の日は、鶏肉から旨みが出てよりおいしくなります」というスープ。それを今度はトマト味でいただく趣向。缶詰の代わりにトマト1個をすりおろして加えても。
(アレンジ3)浮き実はカマンベールチーズ。バゲットにのせて食べても。
カマンベールのせ
【材料(2人分)】
上のスープ1/4量、カマンベールチーズ1個(100g)、粗挽き黒こしょう適量
【作り方】スープを温めて器に盛り、カマンベールをちぎりながら入れる。こしょうを振る。
*室温に戻してとろとろになったカマンベールチーズをちぎり入れ、こしょうを挽けば、ワインと相性抜群。「チーズのほのかな苦味とコクが淡白なかぶと合います」
堤 人美(つつみ・ひとみ)さん●料理家。雑誌、テレビ、広告など多方面で活躍中。著書多数。『野菜がおいしいのはスープだから』(学研プラス)ほか。
『クロワッサン』1012号より