足の専門病院に聞いた。すねの乾燥の原因と徹底ケア。
冬になると深刻化する、すねとかかとの乾燥。繰り返さないためには原因と対策を知ることが大切です。早速今日から正しいお手入れを! 下北沢病院院長の菊池 守さんにお話を伺いました。
撮影・土佐麻理子 文・鈴木智子 イラストレーション・イオクサツキ
[すねの乾燥]
季節ならではの理由や血行不良、むくみも影響している。
粉が吹いてまるで枯れたような冬のすね。それにはこんな原因も。
「冬は防寒のためにタイツやストッキングなどを着用することが増えますが、これらの化繊は速乾性が高いため、皮膚の水分を奪いやすく、それが乾燥を引き起こします。また着用時の摩擦による刺激も乾きや荒れを進めます」
肌への負担という点では、カミソリによるむだ毛の処理も。
「剃り残しのないよう何度もカミソリを当てると表面の角質層が削られて、皮膚のうるおいを守るバリア機能が壊されてしまうのです」
原因は乾燥だけではない。
「足は心臓から遠いため血流が悪くなりやすく、そのせいでむくみが起きます。水分代謝が正常でなくなると、必要のない部分に水分が溜まるため肌表面は乾いてくるのです。血行不良になることで代謝が下がり、ターンオーバーがスムーズにいかず角質も残りやすくなる。それが乾燥や荒れにつながります。また、むくみは皮膚を引き伸ばすので、薄く弱くなって傷がつき、それも荒れの原因に」
すねは大肌荒れゾーン。それだけに顔と同等のスキンケアが必要に。
「お風呂で清潔にした後、肌に水分が残っているうちに化粧水で保水して、乳液などでマッサージしながら保湿とむくみのケアをしましょう」
すねのケアは“縦横塗り”で保湿、さらに足指ストレッチも。
足の乾燥ケアと予防は化粧水をつけることから。
次に保湿剤とともに膝下のマッサージを。
菊池 守(きくち・まもる)さん●下北沢病院院長。日本初の足の総合病院院長として国内では少ない足病学の普及に尽力。著書に『100歳までスタスタ歩ける足のつくり方』(アスコム)が。
『クロワッサン』1010号より