冬の全身かゆみの原因、洗いすぎ・保湿しすぎかも!?
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・ノグチユミコ 文・鈴木智子
【かゆみに悩まないために、見直すべきポイントと対策。】
[かゆみの対策 1]お風呂の入り方|大事なのはお湯の温度。冬でも長湯は禁物。
不快なかゆみとさよならするためには原因となっている習慣の見直しが必要。まずはお風呂の入り方を改善。
「入浴直後は肌に水分が残っているため潤っていると勘違いしがちですが、実は一日の中で肌が最も乾燥するのが入浴後。15分経つと、皮膚は入浴前より乾燥した状態になります。それを防ぐには、お湯の温度は少しぬるいかなと感じる38〜40度くらいを目安に。熱いお湯よりリラックス効果もあります。ただし長湯をすると角質層の保湿成分が必要以上に流れ出て乾燥状態に陥るので気をつけましょう」
加えて大事なのが、
「お風呂から上がったら、素早く水気を拭き取り、乾いた状態にする。脇の下や体側などは拭き忘れやすいので注意を。足の指の間もきちんと水気を取りましょう」
髪を洗ったときは、タオルドライして水分を拭き取り、すぐにドライヤーで乾かすように。頭皮を含め皮膚を健康に保つためには、濡れっぱなしの状態で過ごさないことが肝心だ。
[かゆみの対策 2]からだの洗い方|毎日石けんで洗う部位は皮脂分泌が多いところだけ。
バスタイムでもう一つ見直したいのが、体の洗い方。
「石けんなど洗浄剤で洗うのは頭皮や顔、脇の下、陰部、背中など脂っぽい部分。それから汚れやすい手先や足先です。そのほかの部位は、冬場であれば石けんを使って洗うのは2〜3日に一度で充分。汗は基本的に無色透明で無菌ですしお湯で流すだけで落とせます」
そして肝心なのが、体を洗う際の力加減。
「石けんをよく泡立ててそっとなでるように洗います。ゴシゴシと力を入れて洗う必要はありません。手が届きにくい背中は絹や柔らかいコットン製など天然素材のタオルで優しく洗うといいでしょう。それから石けんの泡をしっかり洗い流すことも忘れずに」
ナイロンタオルでこすり落とさないときれいになった気がしないというのは、まさに気分の問題。汚れを落とすというより肌を傷つけているようなもの。乾燥が進んでいるときは、肌への負担が少ない弱酸性などの洗浄剤でバリア機能を守りながら洗うように。
[かゆみの対策 3]服、寝具の選び方|保温に走りすぎず、肌にとって快適な環境に。
濡れっぱなしやこすれっぱなしなど、かゆみを引き起こす状態を避けるために考慮したいのが、体に密着する服や寝具など。
「冬だからと厚手の服を着込まずに、暖房が暑いと感じたら脱げるように重ね着など調節できる格好がいいでしょう。汗をかくことを考えて、肌に直接触れるものは吸湿性と通気性のいい綿や絹など天然素材がおすすめです」
摩擦による刺激も肌にダメージを与えるので、着るとチクチクするもの、縫い目やタグが当たる服は避けるように。
「就寝時に靴下をはく人もいるようですが、熱がこもるうえにゴムで肌を締めつけるため、かゆみの原因になります。冷えるなら締め付けないレッグウォーマーを」
もう一つ、冬に気をつけたいのが電気毛布の使用。全身を加熱するので熱がこもり、安眠が妨げられる。皮膚も乾燥して、かゆみが出ることが。寝る前にふとんを暖めたら、就寝と同時にスイッチを切るなど工夫して使用を。
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