3人にひとりが持っている!?子宮筋腫の真実が知りたい。【後編】
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・山口正児 文・板倉ミキコ
Q.「経過観察」と言われたんですが何だか不安です。
A.経過観察も治療の一種。日常生活に支障がなければ大丈夫。
筋腫のサイズが小さく、症状がなければ、経過観察して特に治療をしないことも少なくない。
「治療もなく、薬も出されないと不安になるかもしれませんが、現時点で治療の必要はないということです。月経痛や貧血などがある場合は対症療法として薬が処方されます。筋腫が大きくならないように自分でできる予防方法もないので、放置しているのと同じ印象を受けるかもしれませんが、経過観察も治療の一つ。どう変化するか予測が難しい筋腫を定期的にチェックします。検診を受けることにより、不安の解消にも役立ちます」
Q.更年期になると、 子宮筋腫はどうなりますか?
A.更年期と子宮筋腫の不調が重なってつらいことも…。
女性ホルモンの影響で発育する子宮筋腫は、閉経すると小さくなる。そのため、更年期を迎えていたり、閉経が迫った人の筋腫をどうするかは判断が難しい。
「筋腫がもたらす症状と、更年期の症状がダブルで襲ってきて大変つらい、と訴える方もいます。そこで更年期症状を抑えようとホルモン補充療法を行うと、せっかく縮小傾向にある筋腫が再び大きくなる可能性も。更年期症状の改善には、筋腫への影響をあまり心配せず使える漢方を合わせてみてもいいでしょう。子宮筋腫の治療には、閉経のタイミングに合わせた“逃げ込み療法”と呼ばれる薬物治療もありますが、閉経の時期を見定めるのは医師にも難しいところです。今の症状をどう改善したいのか、何が一番つらいのか。医師とよく相談して解決法を選んで」
医師とのコミュニケーションが鍵。
[話を聞いた人]松村圭子(まつむら・けいこ)さん●婦人科医。「成城松村クリニック」院長。一般的な診察のほか、最先端治療も積極的に取り入れている。近著に『40代からの「女性ホルモン力」を高める簡単ごはん』(芸文社)が。
『クロワッサン』1006号より
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