「好きな雰囲気、選ぶアイテムが、もう長いこと……というか、思い起こせば中学生の頃から変わっていません。でも40代に入って以降、体型が変化し、“着られる服”が少しずつ減ってきてしまった。とはいえ、新しいジャンルに挑戦するような冒険心は持ち合わせていないので、〝選べる服の幅〟が、狭まる一方……。八方塞がりな感じがしていて、ここ数年は、正直何を着れば良いのか、本当に悩んでいます」
通っていた中学校が私服だったこともあり、その頃からおしゃれをするのは好きだったという渡辺有子さん。当時から変わらず好んで身につけるのは、シンプルでクセのないアイテム。
「私の職業である料理家という視点から考えると、料理中は特に、例えば優美なドルマンスリーブや、ドレープがきれいな裾のブラウスなどは、必要ないというか、邪魔なのも事実。また、シルクなど繊細な素材も魅力的だとは思うのですが、キッチンで汚してしまうかも……と、つい諦めてしまいます。結果、素材はコットンやリネン、家でザブザブ洗えて、そしてシンプルなデザインの服ばかりに。特に30代以降は、その傾向が強くなっています」
自身の好きな着こなしは? と聞くと、“マニッシュ”という答えが。長く愛してきたそのスタイルを、年相応な形に改めて整えたい、と渡辺さん。