【芸術×ハイテク最新事情】VRで文化財や美術品をより深く知る。
撮影・土佐麻理子 文・新田草子
あの彫刻の裏側は、どうなっている? 歴史的な建物の凝った彫刻をもっと近くで見られたら……。鑑賞者のそんな思いに応えてくれるのが、凸版印刷が長年培ってきた技術を応用して取り組んでいる、美術品や文化財のデジタルアーカイブだ。
「精緻な画像から作った高精細なCGを特殊な専用エンジンで動かすことで、臨場感のある鑑賞が可能に。現存しない文化財を再現したコンテンツも人気です」(凸版印刷 文化事業推進本部PR担当・宮下治枝さん)
凸版印刷の印刷博物館と東京国立博物館にある専用シアターでは、ナビゲーターがコントローラーで視点を移動しながらコンテンツを解説。圧倒的な臨場感のなか、画面に没入するかのような仮想体験ができる。
「ヘッドマウントディスプレイを着ける方法と違って、ほかの人と一緒に鑑賞できる点も好評をいただいている理由です」(宮下さん)
文化財や美術品をより深く知ることができるツールとして、人気を集めている。
印刷博物館 VRシアター
東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル
TEL:03-5840-2300 不定休 VRシアターは土・日曜および日曜に続く休日のみオープン
入場料(一般)300円
東京国立博物館 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館 東洋館B1
鑑賞料(大人)500円 ※このほかに博物館入館料620円、鑑賞料とセットになった総合文化展セット券(一般1,000円)も。『江戸城の天守』を2018年12月24日まで上演。
『クロワッサン』983号より