ゴンドの村を訪ねて取材した松岡宏大さんは話す。こうしたクリエイティブな側面はタラブックスの特筆すべき点だが、この出版社をさらに特別なものにしているのは、彼らの働き方、会社としてのあり方だ、と二人は口を揃える。
「経営者である二人の女性は、いいものを丁寧に作るという、シンプルでブレない考え方を持っています。もっと設備投資をして社員を増やせば、もっと利益を上げることは可能でしょう。でもタラブックスはあえてそれをしない。目が行き届く程度に小さくあることを大事にしています」(野瀬さん)
「生活を犠牲にして朝から晩まで働くようなことはしない。本作りもすごいスローペース。企画の段階から何度もミーティングし、試行錯誤をしながら進めていく。だから僕らもこの本をゆっくり作ろうねって言ってたら、3年もかかっちゃった(笑)」(松岡さん)