糖質、脂質不足で太る? 燃焼を促す食事法。
撮影・黒澤義教、岩本慶三 スタイリング・高島聖子 文・一澤ひらり
ローフードマイスターの志村双葉さんの悩みのタネは、野菜料理中心で量もあまり食べていないのに、じわじわ太ること。ボディワーカーの森拓郎さんに食事のアドバイスを受けて、1カ月間「痩せる体になる」ための食事法にチャレンジすることに。
志村双葉さん(以下、志村) ふだんは生の野菜や果物、ナッツを中心に食べています。でも加熱しない食事ばかりだと家族がつらくなるので、食事の半分をローにして、残りの半分もベジタリアン的で、肉は食べません。
森拓郎さん(以下、森)野菜中心の志村さんの食事は理想的に見えても、カロリーの元である3大栄養素のたんぱく質、糖質、脂質が全然足りていない。低カロリーな食事はヘルシーと思われがちですが、適度に摂らないとむしろ熱は作れず脂肪を燃やせず、太りやすい体になってしまいます。
志村 私たちの世代は、カロリーは敵という思い込みがあるんです。
森 ただでさえ加齢とともに代謝は落ちていくのに、その代謝を上げるために必要な栄養素が不足していたら、痩せようがない。要は代謝アップのために大切なカロリーを摂ることが必要なんです。熱が作れないと種火がないので体内の脂肪を燃やせません。
たんぱく質とともに脂質を採って代謝を上げ、燃えやすい体に。
森 エネルギーの燃焼力を高めるのに、とくに大事なのがたんぱく質です。代謝の要になる筋肉を作っている栄養素ですからね。代謝を上げて痩せやすい体にするためには必要不可欠です。志村さんは肉を食べないので、動物性たんぱく質は魚介類と卵、植物性たんぱく質は納豆や豆腐などの大豆製品で1日の必要分を摂ってください。
志村 目安ってありますか?
森 1日のたんぱく質の必要量は、体重1㎏あたり1gを基本に考えてください。体重50㎏の人ならたんぱく質50gが最低ラインの必要量です。それを代謝アップのために1・5倍ぐらいにしたいので、50㎏の人なら75ℊぐらいのたんぱく質を摂ることが必要ですね。
志村 う〜ん、イメージできないです。
森 おおざっぱですけど、手のひら1枚分の魚の切り身が20g、卵1個6g、納豆1パック8g、ごはん1膳4gです。
志村 これで38g だから、その倍。相当食べなきゃいけないんですね。
森 まず主菜に魚介類や卵、豆腐、納豆などのたんぱく質食品、副菜にビタミン、ミネラルを補う野菜料理や食物繊維が豊富な海藻類やきのこ類、あとは味噌汁にできれば玄米ごはん。
志村 これなら私にもできそうです。脂質はどうやって摂ればいいですか?
森 動物性たんぱく質を毎日食べるようになると脂質は一緒に摂れますから気にすることはないです。イワシやサバなどの青背の魚ならオメガ3のDHA、EPAが摂れますから。
志村 和定食を作ればいいんですよね。
森 そうです。副菜では代謝アップをサポートしてくれる「マゴワヤサシイ」の食材を組み合わせれば、バリエーションも豊富になりますよ。
『クロワッサン』941号より
●森拓郎さん ボディワーカー/2009年に自身のスタジオ「rinato」を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクを指導。著書に『食事10割で代謝を上げる』(ワニブックス)。
●志村双葉さん ローフードマイスター/Futaba’s Kitchen主宰。楽しく学べるローフードの教室やローチョコレートの販売も。著書に『BeautyRaw Sweets やせるお菓子』(永岡書店)。
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