限定グッズ、メニューも魅力的。3つの視点で楽しむ、見どころいっぱい「神戸六甲ミーツ・アート」が開催中!
撮影&文・三枝陽子
自然豊かな六甲山の森や植物園、展望台、名建築などを舞台に、現代アートと出合える「神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond」。2010年に始まり、今年で17回目を迎える芸術祭です。約60組の国内外のアーティストが参加し、六甲山上に点在する会場を散策しながら作品を楽しむことができます。
特に今年は、奈良美智の《Peace Head》(昨年より常設展示)に加え、2026年8月に逝去された草間彌生の大型立体作品《南瓜》が特別寄託作品として登場。こちら2作品は、季節の花に彩られるROKKO森の音ミュージアムの庭園の中でもとりわけ大きな存在感を放っています。
さてここからは、五感で楽しみたいこの芸術祭を、読者世代にオススメの3つの視点でご紹介していきます。
① 思わず笑顔に。いろんな“カワイイ”を楽しむ
今回目を引いたのが、奈良美智や草間彌生の作品をはじめとする、思わず「カワイイ!」と声が出るような作品の数々。
NHK「びじゅチューン!」でもおなじみの井上涼は、新作アニメーション《じーっと! つぶさに! 妖精ウォッチング》を発表。架空の街で暮らす妖精たちを“観察”する、ユーモラスで独特な世界が広がります。
同じく天覧台エリアにある宮嵜浩の《CELEBRATION / 借景のヴァニタス》は、一見シャビーかつガーリーな印象。廃材を利用し、常に更新されていく都市や自然の儚さを祝祭的に表現しています。一方、〈風の教会エリア〉旧六甲スカイヴィラでは、港町・神戸の郷土玩具「神戸人形」と「神戸だるま」が融合した鴻崎正武の不思議な“キメラ”がお出迎え。作家のオリジナリティと民芸のコラボがユニークです。六甲ケーブル下駅と山上駅では、ニシハラ☆ノリオ×北園組の《とびだせ!! オレの部屋》がインパクトを放ちます。架空のバスガイドやユニークな被り物が表現する、どこか懐かしく遊び心いっぱいの六甲ワールド。いろんな種類の“カワイイ”を見つけてみて。
② 建築、森、絶景まで作品に。“空間”を楽しむ
六甲山ならではのスポットが作品の背景になるのも、この芸術祭の特徴です。安藤忠雄設計の名建築「風の教会」で展示されているのは、棚田康司の木彫作品《届かない橋を渡る》。静謐な光が差し込む建築空間と少女像が響き合い、作品の持つ宗教性や、人間の存在そのものを問うような深遠な世界へと引き込まれます。
4年ぶりに会場となった「自然体感展望台 六甲枝垂れ」では、建築家・三分一博志が設計した建物と六甲山の自然、木村崇人の《風と渡り鳥》が一体に。内部には、既製品の空き瓶を用いた大東真也の《魂の行方》も展示され、自然の織りなす絶景と作家の心象風景の重なり合いに目を奪われます。
さらに森を進み、バンノ山荘エリアへ。木々の間にふっと現れるのが古巻和芳の《道行き/skywalker No.31》。これまで主に屋内で発表されてきたシリーズを屋外へ。やじろべえのように森に佇む少女像は、自然の中でひときわ神秘性をまとっています。
③ グルメもグッズも見逃せない。“限定”を楽しむ
作品巡りの合間のお楽しみと言ったら……ここだけの限定メニューや限定グッズ。今年創業50周年を迎えた「六甲山ジンギスカンパレス」では、ラムロール、生ラムもも肉、希少部位のラムタンを一度に味わえる「祝! 50周年ラムランチ」が登場。創業年の1976年にちなみ、価格も1,976円とシャレています。
六甲ガーデンテラスの「グラニットカフェ」では、三田ポークと兵庫県産野菜をローストし、朝倉山椒、柑橘、六甲山麓の蜂蜜「やまみつ」を使ったソースを合わせた一皿を。スパイシーかつほんのりとした甘味が、豚肉の脂と絶妙な相性!
お土産に喜ばれること必至の限定グッズ。奈良美智や井上涼の作品をモチーフにしたアイテムは、展示同様にポップで心をくすぐるものがずらり。作品との出合いを持ち帰るべく、お気に入りを探す時間も楽しいものです。
六甲山を丸ごと楽しむ、秋の“芸術散歩”へ
森を歩けば思いがけない作品が現れ、その向こうには神戸の街や海を見晴らす絶景。
作品だけを目的にするのではなく、自然、建築、風景、食まで含めて六甲山を丸ごと味わえるのが「神戸六甲ミーツ・アート」の醍醐味です。
木々が少しずつ色づき、秋が深まっていくこれからの季節。六甲山ならではの“芸術散歩”に出かけてみませんか。歩きやすい靴と雨具は必須ですので、お忘れなく!