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目覚めよ腹横筋、現れよくびれ。いつでもどこでも若返り呼吸法

吸って吐くだけで体幹が鍛えられる、それがドローイン。息をするだけで体幹が強くなりウエストが締まるメソッド、試してみない手はありません。

撮影・中島慶子 イラストレーション・小林マキ 文・石飛カノ

「体幹トレーニングの基礎は“ドローイン”という呼吸法にあります」

と言うのは、トップアスリートをはじめ多くの人に体幹トレーニングを指導しているトレーナーの木場克己さん。ドローインとはお腹の筋肉を使って行う深い腹式呼吸のこと。

「通常、ほとんどの人は肺に空気を出し入れするだけの胸式呼吸をしています。ドローインは息を吸いながらお腹を膨らませて、息を吐きながらお腹を凹ませる腹式呼吸です。このとき、“腹横筋”というインナーマッスルが働いて腹圧が上がります。これを繰り返すことによって体幹が鍛えられ、さまざまな健康効果がもたらされるのです」

腹横筋はお腹の筋肉の最奥にあるインナーマッスルで、いわば天然のコルセットのような役割を果たす。ところが、胸式呼吸に頼っている現代人はこの筋肉を使う機会が少ない。

体幹部の中心の腹筋群。いちばん表は腹直筋でいわゆる“腹筋”と呼ばれるもの。その下のわき腹に体をひねる役割を果たす腹斜筋群(外腹斜筋、内腹斜筋)があり、最も奥がドローインのカギとなる腹横筋。ドローインで腹横筋を体の内側に引き寄せることで天然のコルセットの役を果たし、姿勢が安定して引き締まる
体幹部の中心の腹筋群。いちばん表は腹直筋でいわゆる“腹筋”と呼ばれるもの。その下のわき腹に体をひねる役割を果たす腹斜筋群(外腹斜筋、内腹斜筋)があり、最も奥がドローインのカギとなる腹横筋。ドローインで腹横筋を体の内側に引き寄せることで天然のコルセットの役を果たし、姿勢が安定して引き締まる

下写真は超音波で見たドローイン時の腹横筋の働き。このように腹横筋を働かせることでお腹が引き締まり、背骨のカーブが本来の形を取り戻して正しい姿勢を維持できるようになるという。

「お腹を引き締めて自然に正しい姿勢を保つことができるようになれば、ウエストの引き締め効果も期待できます。毎日ドローインを行って1カ月で7〜1cm、ウエストサイズが引き締まった例もあります」

超音波で見た腹筋。上は平常時の外腹斜筋、内腹斜筋。〇で囲った部分が腹横筋。ドローインすることで腹横筋が大きく引き下げされているのがわかる。<br>取材協力・いがらし接骨院スポーツはりきゅう <a href="https://igarashi-medical.com" target="_blank">https://igarashi-medical.com</a>
超音波で見た腹筋。上は平常時の外腹斜筋、内腹斜筋。〇で囲った部分が腹横筋。ドローインすることで腹横筋が大きく引き下げされているのがわかる。
取材協力・いがらし接骨院スポーツはりきゅう https://igarashi-medical.com

「お腹を引き締めて自然に正しい姿勢を保つことができるようになれば、ウエストの引き締め効果も期待できます。毎日ドローインを行って1カ月で7〜10㎝、ウエストサイズが引き締まった例もあります」

姿勢が整えば、肩こりや腰痛の軽減も期待できる。さらに、酸素をたくさん取り入れることで肺活量が増えてスタミナがつき、疲れにくくなる。おのずと活動量が増えるため、太りにくいカラダづくりにもひと役買ってくれる。

「お腹の中には上半身から下半身に血液を運ぶ、腹部大動脈という太い血管があります。ドローインでこの血管に圧をかけることで下半身の血流が促されやすくなり、その結果として、脚のむくみや冷えなどが改善されるケースも報告されています」

呼吸をするだけで体幹が鍛えられ、ウエスト減効果や冷えやむくみまで改善できるとあれば、これはもう試してみるしかない。基本のドローインをマスターし、若返りを狙おう。

まずは仰向けでのドローイン。最終的には立ち姿勢で

では、さっそく基本のドローインのやり方に移ろう。初心者におすすめなのは、仰向け姿勢になって行うドローイン。というのも、仰向け姿勢では自分の体重を支える必要がないので、腹横筋を動かすことに集中できるから。慣れてきたら座り姿勢、最終的には立ち姿勢で行うドローインを目指そう。

「目標回数は1回×5セットを朝、昼、晩の3回。毎日行うことでカラダに必ず変化が表れるはずです」

仰向けになり、両足を腰幅に開いて両膝を立てる。お腹にタオルを乗せると感覚をつかみやすい。3~5秒かけて鼻から息を吸いながらお腹を膨らませる
仰向けになり、両足を腰幅に開いて両膝を立てる。お腹にタオルを乗せると感覚をつかみやすい。3~5秒かけて鼻から息を吸いながらお腹を膨らませる
5秒かけて口から息を吐き、お腹を凹ませる。インナーマッスルに響くよう、30㎝先のろうそくの火を消すつもりで細く長く吐く
5秒かけて口から息を吐き、お腹を凹ませる。インナーマッスルに響くよう、30㎝先のろうそくの火を消すつもりで細く長く吐く
息を吐ききったら凹ませたお腹をキープし、今度は鼻から息を吸って口から息を吐く短い呼吸を5回繰り返す。ここまでを1回として5セット行う
息を吐ききったら凹ませたお腹をキープし、今度は鼻から息を吸って口から息を吐く短い呼吸を5回繰り返す。ここまでを1回として5セット行う
仰向けになり、両足を腰幅に開いて両膝を立てる。お腹にタオルを乗せると感覚をつかみやすい。3~5秒かけて鼻から息を吸いながらお腹を膨らませる
5秒かけて口から息を吐き、お腹を凹ませる。インナーマッスルに響くよう、30㎝先のろうそくの火を消すつもりで細く長く吐く
息を吐ききったら凹ませたお腹をキープし、今度は鼻から息を吸って口から息を吐く短い呼吸を5回繰り返す。ここまでを1回として5セット行う
座って 椅子に深く座り、背中を背もたれから離して背すじをまっすぐに保つ。足を若干手前に引いて骨盤を立…

座って

椅子に深く座り、背中を背もたれから離して背すじをまっすぐに保つ。足を若干手前に引いて骨盤を立たせる。この状態でドローイン。

立って 両足を腰幅に開いて立つ。背すじを伸ばし、両手でお腹を触って腹横筋の動きを意識しながらドローイ…

立って

両足を腰幅に開いて立つ。背すじを伸ばし、両手でお腹を触って腹横筋の動きを意識しながらドローイン。腰を反らさないように。

いつでもどこでも、あんなときこんなときにドローイン

朝昼晩5セットの呼吸で、体幹が強くなりウエストが締まるドローイン。

ということで「毎日隙あらばドローイン」生活を送ってみよう。木場さんの、より効果が望めるアドバイスつき。担当編集Eも試してみました。

信号待ちでは爪先立ちになる 信号待ちの時間にかかとを少し上げた状態でドローイン。姿勢が不安定になるの…

信号待ちでは爪先立ちになる

信号待ちの時間にかかとを少し上げた状態でドローイン。姿勢が不安定になるので体幹の筋肉がより刺激され、バランス感覚が養える。「生活のなかで意外と多い待ち時間。まめに行っていたらたちまち筋肉痛に」(編集E)

編み物時はドローインで足上げ 編み物は、猫背になりがちなのでドローインのチャンス。息を吐ききった後に…

編み物時はドローインで足上げ

編み物は、猫背になりがちなのでドローインのチャンス。息を吐ききった後に5回行う呼吸(STEP3)のとき、息を吐きながら両足を上げ、吸いながら足を下ろす。脚の付け根の腸腰筋に刺激が入る。「気分転換になり、編み目も揃う気が」

散歩でモデルのように歩きながら 散歩の際は視線を前に向け、いい姿勢を保つ意識でドローイン。進む方向に…

散歩でモデルのように歩きながら

散歩の際は視線を前に向け、いい姿勢を保つ意識でドローイン。進む方向に1本のラインをイメージし、そこからはみ出ないように歩くと、太もも内側の内転筋の鍛錬にも。「いい姿勢で歩くとモデル気分。犬は不審そうでしたが」

就寝前のベッドの中でお腹を押して 寝る前は基本のドローインを行う最適のタイミング。両膝を立て、お腹に…

就寝前のベッドの中でお腹を押して

寝る前は基本のドローインを行う最適のタイミング。両膝を立て、お腹に手を当てて5セット。お腹周りを手で押しながら行うと腹部大動脈の血流が促されて冷えの予防に。「入眠儀式のようで、スムーズに寝付けるように」

仕事の休憩中に肩甲骨を寄せて デスクワークは背中の筋肉が固まり猫背姿勢に。休憩中はドローインを取り入…

仕事の休憩中に肩甲骨を寄せて

デスクワークは背中の筋肉が固まり猫背姿勢に。休憩中はドローインを取り入れ、姿勢の矯正も。両手を頭の後ろで組み、左右の肩甲骨を寄せ、息を吐くとき肘を後ろに引く。「酸素が充分に供給されるためか頭スッキリ、集中度が高まる気が」

キッチンで洗い物の際は爪先立ちで デスクワークは背中の筋肉が固まり猫背姿勢に。休憩中はドローインを取…

キッチンで洗い物の際は爪先立ちで

デスクワークは背中の筋肉が固まり猫背姿勢に。休憩中はドローインを取り入れ、姿勢の矯正も。両手を頭の後ろで組み、左右の肩甲骨を寄せ、息を吐くとき肘を後ろに引く。「酸素が充分に供給されるためか頭スッキリ、集中度が高まる気が」

掃除機をかけるときも腰を落として 掃除中にもドローイン。膝を曲げて腰を落として行ってみる。体幹を鍛え…

掃除機をかけるときも腰を落として

掃除中にもドローイン。膝を曲げて腰を落として行ってみる。体幹を鍛えると同時に、お尻、太ももなど下半身の大きな筋肉の鍛錬にも。前屈みにならず背すじを伸ばして。
「キツい! でも掃除の手応えと合わせて自己肯定感アップ」

大きく腕を振って階段を上がりながら 階段を上りながらドローイン。片脚立ちの連続で、体重を上に持ち上げ…

大きく腕を振って階段を上がりながら

階段を上りながらドローイン。片脚立ちの連続で、体重を上に持ち上げる筋力も必要。腕をしっかり振ると足を前に出す推進力に。ドローインしながらリズムよく上ろう。「負荷の高さが高揚感になり、ハイな気分でスタスタ上がれます」

体験してみて……

最初にドローインを試したとき、お腹の脂肪の下で眠っていた筋肉が目覚めた感じがして、感動しました。3日目には下腹全体が筋肉痛。2週間経った今、脇腹が硬く締まってきた実感があります。春に薄着になるのが少し楽しみです。

  • 木場克己

    木場克己 さん (こば・かつみ)

    プロトレーナー

    KOBA式体幹バランストレーニング(KOBAトレ)の考案者。サッカー、水泳、陸上などトップアスリートのほか、有名アーティストや俳優のカラダづくりを指導。著書は60冊以上。

『クロワッサン』1162号より

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