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家族との共有事項を再確認。我が家の防災マップとカードづくり

災害時、家族が別々の場所にいる可能性も。安否確認や合流のために、自宅や家族の状況に即した防災マップや、防災カードを作っておこう。

撮影・北尾 渉 イラストレーション・John Danon 文・吉川明子 ※吉は正しくはつちよし

避難場所や連絡手段を決めておけば、落ち着いた行動ができ、命も守れる

「何より優先すべきは、一人ひとりが自分の命を守ること。災害に遭遇するとパニックに陥るものですが、落ち着いて行動することが、安全につながるということを覚えていてください」

そう語る「減災ラボ」代表理事の鈴木光さん。有時に慌てないためには、避難場所や経路、連絡手段などを家族内で決めておくとよいという。

「災害発生時、家族全員が別々の場所にいることもあり得ます。スマホなどの通信手段が使えない可能性も高いでしょう。そのために、避難場所や経路を記した『防災マップ』や、家族や親戚の連絡先などを記した『防災カード』を作り、家族でその情報を共有しておくのです。家族の電話番号も、スマホに頼りきりで覚えていない人がほとんどのはず。災害時にはアナログが強い味方になります」

なお、マップ作りのベースとなるのが、各自治体や国交省が公開しているハザードマップ。自然災害発生に遭遇しがちな被害のほか、最寄りの避難場所や災害拠点等を知ることができる。

「自宅周辺の環境や避難場所によって状況は異なりますが、地震や津波が起こったときなら海に近づかないルート、風水害の場合は川や崖の近くは通らないルート……というように、災害ごとに安全なルートを数パターン想定しておきましょう。また、避難場所に向かうよりも自宅のほうが安全だと判断できる場合はそのまま留まっているのも有効。在宅避難も立派な避難です。その判断のためにも、我が家流の防災マップを作ることが役立ちます」

家族で決めておくこと4カ条

1. 家族が一緒にいないときの「連絡手段」
災害時はスマホで通話できない可能性が高い。大規模災害時に提供される「災害用伝言ダイヤル(171)」や、安否を通知できる「LINE安否確認」は有効な連絡手段になるので、平常時に練習しておこう。

2. 自宅エリア外の知人、親せき宅の連絡先
災害時、被災地から離れた場所であれば、電話がつながりやすいこともある。あらかじめ自宅エリア外に中継点となる人を決めておき、連絡先をメモして持っておこう。その人を介して安否確認や伝言などができる。

3. 災害ごとの行動方法
地震や津波、風水害など、災害の種類によって被災状況も異なる。高台に逃げる経路、川や海を避ける経路など、複数の避難ルートを想定しておく。なお、バスが通るような大きな道路をルートに選ぶと、比較的安全。

4. 各自のバッグに入れておく「防災ポーチ」の中身
外出時に持ち歩くのが「防災ポーチ」。常備薬や簡易トイレなどが入っていれば、家の外で被災した際の心強い味方に。家族で何を持っておくか相談しておくと、離れ離れのときも行動が想定しやすい。

my防災マップの作りかた

家族との共有事項を再確認。我が家の防災マップとカードづくり

1. シール3~4種類とマーカーを用意する
自宅や避難場所、家族が合流する場所などに貼るシールや、避難経路をなぞるためのマーカーを何色か用意する。色分けしたほうが視覚的にわかりやすい。2つ折りのクリアファイルもあると、携帯しやすい。

2. 自宅地域のハザードマップを手に入れ、A4サイズにする
ウェブで「自治体名+ハザードマップ」で検索、もしくは国土交通省の「重ねるハザードマップ」にアクセス等で入手。A4サイズに収まる範囲内で、家と避難場所周辺が大きく見えるように拡大コピーする。

3. マップでポイントする場所を把握する
・自宅
・待ち合わせ場所
・防災拠点
・避難場所 など
上記4つの地点をはじめ、別居家族や親戚の家などに、色別にシールを貼る。高台の公園や広場など、いざというときに安全を確保できそうな場所があれば、そこにも貼っておこう。

4. ハザードの部分を避けて、避難場所までのルートを考える
自宅周辺のハザード(浸水、土砂崩れのリスクなど)を確認し、適した避難先はどこか検討。そのうえで、自宅から避難場所や待ち合わせ場所に向かう安全ルートを考える。

5. ルートは複数考えておく
災害時は土砂崩れや火事などで通行不能になってしまうこともある。また、細い道やアンダーパス、崖の近く、橋なども避ける。安全と思われるルートを、複数考えておくこと。

6. 欄外に、災害時ごとの行動を記しておく
津波の危険があるときは高台やビルの上、水害のときは川から離れた場所など、自宅の位置と災害によって安全な行動は変わる。欄外に、災害ごとの行動を決めて記しておく。

7. 「家族みんなが」「よく目に触れる場所」に貼っておく
作ったマップは冷蔵庫、トイレ、玄関など、家族みんながよく目にする場所に貼っておこう。防災マップは家族全員で意見を出し、確認しながら作ると全員の記憶に残りやすい。

my防災カードの作りかた

※紙版の本誌1172号には、カードの特別付録がついています。ぜひ、ご購入の上でご利用ください。
「8月25日発売の『クロワッサン』最新号は「本当に使える防災の知識」」

家族との共有事項を再確認。我が家の防災マップとカードづくり

1. 家族との待ち合わせ場所&時間
被災時に家族がバラバラになったときの待ち合わせ場所のほか、時間も決めておくと便利。当てもなく待ち続けずに済み、いつか会える確率が上がる。

2. 常備薬やかかりつけ医
薬の名前やかかりつけ医と連絡先、アレルギー有無がわかれば、避難先で薬の手配がしやすくなり、診察時にも役立つ。持病がある人は「おくすり手帳」も必携。

3. 災害用伝言ダイヤルの使い方
家族のうち誰の電話番号を使うか決めておき、171ののちにその番号を入れることで録音も再生もできるようになる。毎月1、15日は体験利用日なので練習を。

4. 連絡を取りたい人の情報を記す
携帯の充電が切れて番号がわからない……とならないよう、家族ほか連絡を取りたい人の電話番号を。関係性も書いておくと、第三者にも正確な情報が伝わりやすい。

5. 親戚や会社など、信頼のおける連絡先も同様に
居住エリア外に住む親族や友人、会社などの連絡先を書く。当人に被災時の連絡先にしたい旨を伝え、いざというときの連絡の中継先をお願いしておくとスムーズ。

6. 家族との連絡の取り方
家族の携帯電話がつながらないこともある。「災害用伝言ダイヤルを使う」「居住エリアから離れた場所に住む親戚宅を中継場所にする」など、手段を決めておく。

防災カードの使い方

家族一人ひとりが防災カードを持つ 防災カードは一人1枚持つこと。家族で集まって、災害時の連絡手段や避…

家族一人ひとりが防災カードを持つ
防災カードは一人1枚持つこと。家族で集まって、災害時の連絡手段や避難場所などを相談しながら記入し、情報共有しておこう。

防災カードは財布やスマホケースなどに入れる 記入済みの防災カードは、財布や手帳などに入れて持ち歩く。…

防災カードは財布やスマホケースなどに入れる
記入済みの防災カードは、財布や手帳などに入れて持ち歩く。被災時はスマホだけ持って逃げる人も多いため、スマホケースに入れておくのもおすすめ。

  • 鈴木 光 さん (すずき・ひかり)

    一般社団法人減災ラボ代表理事

    工学博士。全国の地域、自治体、企業を対象に、防災ワークショップやコンサルティングを行うほか、建築防災にも携わる。身近な災害リスクを学べる「my減災マップ®」を考案。

『クロワッサン』1172号より

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