特別展『空海と真言の名宝』東京国立博物館 平成館──上野で真言宗の秘儀、秘仏に出会う
青野尚子のアート散歩。今回は、真言宗を開いた弘法大師空海の生誕1250年を記念して、ゆかりの名宝が東京に集結する展覧会。今展のみどころの一つは真言宗最高の儀式ともされる「後七日御修法」についての展示だ。一般には公開されないこの秘儀について、名品や図面などでその様子を想像できる。
文・青野尚子
『空海と真言の名宝』展は真言宗を開いた弘法大師空海(774―835)の生誕1250年を記念して、ゆかりの名宝が東京に集結する展覧会。真言宗十八本山や関係寺院が所蔵する寺宝を間近に見ることができる。
空海は唐で密教を学び、帰国後は京都の教王護国寺(東寺)を拠点に真言密教を広めた。その教えは今も多くの人に影響を与えている。
今展のみどころの一つは真言宗最高の儀式ともされる「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」についての展示だ。後七日御修法とは1月に教王護国寺灌頂院で、五穀豊穣などを願って行われる法会のこと。一般には公開されないこの秘儀について、かつて会場を荘厳した国宝「十二天像」などの名品や、曼荼羅の配置を示した図面などでその様子を想像できる。
重要文化財「石山寺縁起絵巻」の、石山寺の伽藍建立のための工事現場の様子も興味深い。国宝「信貴山縁起絵巻」では高僧・命蓮が起こした米俵が宙を舞い、蔵が空を飛ぶダイナミックな奇跡が描かれる。
展示の最後、「真言宗各派の彫刻と秘仏」の章はとくに見逃せない。三十三年に一度しか開帳されない三重・観菩提寺の重要文化財「十一面観音菩薩立像」を始め、秘仏として普段は見られない教王護国寺の重要文化財「聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像」や大阪・大門寺の重要文化財「如意輪観音菩薩坐像」などが特別に公開される。寺院の奥深くで私たちを見守ってきた仏たちに、平安を願う心が宿る。
弘法大師生誕1250年記念 特別展「空海と真言の名宝」
東京国立博物館 平成館 7月14日(火)~9月6日(日)
和歌山・金剛峯寺の秘仏「弘法大師坐像」や、空海が留学中に密教典籍を書写したノートも展示される。会期中、展示替えあり。
東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9) TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)9時30分~17時(金・土曜、7月19日は~20時) 月曜、7月21日休(7月20日は開館) 入館料一般2,300円ほか
『クロワッサン』1169号より
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