『ラジオ最強説』 著者 橋本吉史さんインタビュー ──「ラジオ好きな人ってセンスいいんですよ」
撮影・中島慶子 文・クロワッサン編集部
『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』や『ジェーン・スー 生活は踊る』など、数々の人気ラジオ番組を生み出してきた橋本吉史さん。キャリア20年分の思いを込めて、初の書き下ろし著書『ラジオ最強説』を出版した。「編集者さんからのオファーがきっかけでしたが、『読みに耐え得るものが書けるだろうか』という不安や、どうしていいかわからない時期もあったりで、完成までに約2年かかりました」
それでも書ききったのは、書名のとおり「やっぱりラジオは最強だ」という確信があったから。
「このタイトルも一見、半笑いになっちゃう感じがあるんですけれど、中身を読んでみたら『いや、そうかも』と思える。そんな体験を届けたいと思っています」
本の中で橋本さんは、ラジオがなぜ今も愛されるのかの言語化を試み、その答えの1つとしてラジオは〈みんなの居場所〉、サードプレイスだと結論づけている。特にジェーン・スーさんの番組は、「中高年世代の女性にとっての居場所になっている」という。
「今ってSNSなどで知らず知らずのうちに疲れてしまうことが多い。でもラジオは分断を煽ったり疲れちゃうようなことを全くしないメディアだから、心が一旦退避する場所として機能しているんだと思うんです。もし『生きづらいな』と感じている人がいたら、好きなラジオ番組を見つけることは心の健康にとって、すごくいいはず」
この本の目玉の1つが、宇多丸さんやジェーン・スーさんとのロング対談だ。
「これは、自分の書いた内容に説得力を持たせるため、僕にとって大事なキーマンであるお二人にも直接“ラジオ最強説”を補強してもらう必要があるなと(笑)」
スーさんがどうやってパーソナリティになり、堀井美香さんとのコンビがどう生まれたのかという〈本当のビギニング〉が第三者的な視点から描かれているので、「熱心な互助会員(番組におけるリスナーの呼称)さんにも必ず満足してもらえる内容だと思います」というのも納得。
ラジオは人間性で勝負するメディア
本書を読み、また橋本さんと話して伝わってくるのが、「ラジオを愛する人たちは堂々と自信を持ってほしい」というメッセージ。
「ラジオは50年ぐらい前からもう終わるメディアだといわれているからか、作る側にどことなく卑屈さや奥ゆかしさがあって。そこも魅力ではあるんですが(笑)」
しかし、その控えめさの裏には橋本さんならではの信念がある。長く番組を続けているパーソナリティは皆「やっぱいい人」だし、リスナーは「素の人格を隠せない」ところに惹きつけられる。つまり、ラジオは人間性で勝負するメディアなのだという。
「だからラジオが好きな人って、めちゃくちゃセンスいいし、健やかでいられるんですよ」
やっぱり、ラジオは最強だ。
『クロワッサン』1165号より
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