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ふきのとうの佃煮──松田美智子の「くらしの歳時記」

古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「ふきのとうの佃煮」。

撮影・鍋島徳恭

ふきのとうの佃煮──松田美智子の「くらしの歳時記」

ふきのとうは蕾が一番。開かない内に処理しましょう

私が育った鎌倉は、裏山にふきが群生していました。春先にはふきのとうがとり放題! 蕾の内にとるのは、春の訪れと追いかけっこです。ふきのとうの佃煮は父の好物でした。高校生になると、私が担当になり、父の好みに煮上げて褒めてもらうのがうれしくて。とり立てのふきのとうを丁寧に掃除して、ステンレスの包丁で処理して煮ました。鋼の包丁ではアクが回ることもその時に覚えた料理の知恵。あの時に土鍋を使って煮ていたら、もっと調味料を減らせて美味しく煮られたはず、と残念です。最近は佃煮を煮る時の調味料にもお味噌を加えたり、アンチョビを加えてみたりとアレンジ。素揚げをして炊き立てご飯に塩と混ぜたり、ステーキに載せたり、パスタにしたり、お味噌汁の吸い口にも、ふきの風味と苦味は食卓に春を呼んでくれます。あの頃、今のように様々な使い方を知っていたら、もっと父に褒めてもらえたかしらと、ふきのとうを見ると父の顔を思い出します。

ふきのとうの佃煮──松田美智子の「くらしの歳時記」

土鍋と味噌が決め手の煮方です

ふきのとう約24個をさっと洗い、汚れを除き、ペーパータオルで丁寧に水気を除く。土鍋に入れ、酒1カップを加えてさっと煮立て、水1/2カップを加え、沸々したらみりん大さじ3、味噌約大さじ2を加え、時々混ぜながら弱火で煮る。煮汁がヒタヒタになったら、味をみて濃口醤油を加え、一混ぜして火を切り、薄口醤油大さじ1/2を加える。メインの写真はパン・ド・カンパーニュにオリーブオイルを塗り、好みのチーズとふきのとうの佃煮を載せて霧を吹き、オーブンで焼いたもの。炊き立てのご飯に混ぜておむすびにしても絶品。焼きおむすびにも!

  • 松田美智子

    松田美智子 さん (まつだ・みちこ)

    料理研究家

    『65歳からの食事革命』『家庭料理は郷土料理から始まります。』ほか著書多数。調理道具「JIZAI」をプロデュース。m-cooking.com

『クロワッサン』1161号より

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