“書くこと”で心が整う「セルフモニタリング」のすすめ
撮影・文 岡のぞみ
自分の状態に気づく「セルフモニタリング」
セルフモニタリングとは、自分の思考や感情、価値観に意識を向け、今の自分の状態を客観的に見つめること。日々の出来事の中で「何を感じたのか」「なぜそう思ったのか」を言葉にして整理することで、自分自身への理解を深めていく方法です。
「人の印象は、性格や話し方だけで決まるものではありません。心理学では、思考・感情・価値観・行動が自分の中で調和している状態、いわゆる『自己一致』が自然な印象につながるといわれています」と教えてくれたのは、公認心理士の藤本志乃さん。
自分の気持ちを理解し、無理なく振る舞えているとき、人は落ち着いた自然な雰囲気をまといます。反対に、自己一致が崩れていると、本当は緊張しているのに無理に明るく振る舞ったり、話しすぎてしまったりと、言葉や表情にどこか不自然さが生まれてしまうことがあります。
心を整える「書く」という習慣
セルフモニタリングの方法としておすすめされているのが、「書くこと」です。
「実は、パソコンやスマートフォンで文字を打つよりも、手書きのほうが理解度や記憶の保持が高いことが研究でも報告されています。手書きは文字を書くスピードがゆるやかなため、自然と考える時間が生まれます」(藤本さん)書く途中で立ち止まりながら、「本当は何を考えているのだろう」と自分に問いかけることができるのです。
また、手書きは、視覚、触覚、筋肉の感覚など、複数の感覚を同時に使う行為でもあります。心理学や神経科学の分野では、こうした身体感覚を伴う行為は気持ちの高ぶりを落ち着かせる働きがあるともいわれているそう。ノートに言葉を書き出していくうちに、少しずつ気持ちが整理され、心が落ち着いていく──そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
<セルフモニタリングがもたらす3つの効果>
① 自分の思考や感情に気づきやすくなる「自己認識の向上」
② 不安や緊張を整理することで得られる「心理的な安定」
③ 反射的な行動ではなく、自分の選びたい行動をするようになる「行動の変化」
こうした変化が積み重なることで、自分の思考や感情、価値観と行動が自然に調和していきます。その状態こそが「自己一致」であり、無理のない自然な印象へとつながっていくのです。では、簡単にできる2つのセルフモニタリングワークを紹介します。
セルフモニタリングワーク(5コラム法)
① ノートに、今心にある出来事や状況を書く
例:悲しかったこと、言われて嫌な気持ちになった言葉、嬉しかったこと、など
② その出来事に対して、出てきた考えとは?
③ 自分の感情に点数をつける
例:緊張70、違和感40、など
④ ②で出てきた考えに対して、別の考え方をしてみると?
⑤ ➃で出た考えに対して、感情はどのように変化する?
こうして、5つの視点に分けて出来事を整理することで、 偏りがちな考えを補正することができます。
セルフモニタリングワーク(価値のワーク)
① 価値リストから自分の大切にしていることを選ぶ
② 残った5つ程度のワードを使用して、自分がこの先大切にしていきたいことを言葉にしてみる
価値とは、これまでの生活で無意識にしてきた行為で醸成されています。このワークでは、本当にやりたいことや、これからの生活・人生の方向性を明確にすることができます。
書く時間を特別にする「Impression(インプレッション)」
セルフモニタリングを習慣にするためには、「書く時間を心地よくする道具」を選ぶことも大切です。お気に入りのペンやノートがあると、自然と手に取りたくなり、書く時間そのものが楽しみになります。
フランスの筆記具ブランド、「WATERMAN(ウォーターマン)」から、そんな手書きの時間をより豊かにする新シリーズ「Impression(インプレッション)」が2026年2月に登場。万年筆は9,000円〜1万円、ボールペンは6,000円〜
デジタルに囲まれている今だからこそ、あえて手書きで自分と向き合う時間を持つ。そんな小さな習慣が、心を整え、自分らしい「印象」へと導いてくれるのかもしれません。
広告