瀧波ユカリさんのおしゃれ哲学に学ぶ──「私の好きは私に似合う」
撮影・小川久志 構成&文・佐々木直子
「私がかわいいと思ったものを身につける!(笑)。それ以外の捉え方は必要ないと思っているんです。かわいいとか素敵の尺度は人それぞれだし、自分が好きなものを並べるとそこには絶対に統一性がある。それは自分の個性を部分的に表しているものの集合体だから。よく『柄物をバランスよく着るのが上手ですね』と言われるのですが、私は何も考えてないんです。好きなもの同士だから相性がいいだけ。もちろん失敗もしますし、打率でいうと8割ぐらい。野球選手だったらすごいなって感じですけど、2割の失敗も遊びだし、気づきだと思います」
常識にとらわれない物選び。瀧波さんの偏愛アイテム
加えてもう一つ大事なルールがある。
「基本的に洗えて着心地のいいもの。でもそれを突き詰めるとパジャマになっちゃうんですよね(笑)。だから、人に会う時には“好印象を与える”という条件は必ず入ります。清潔感かもしれないし、明るさや美しさかもしれない。そこが自分らしさであり個性なんじゃないかな。例えば、私のために誰かが着物を着て会いに来てくれたらすごくうれしい。相手をうれしくさせるというのは自分が“光”になることだと思っていて、『これを着たら今日は光になれるかな』という基準で選んでいます。花柄やカラフルな服を選びがちなのも、場を明るくする効果があるからかもしれませんね」
自分の好きを信じることと相手を思いやる気持ちがあれば、個性は魅力となって輝く。一方で、おしゃれの参考にしているものはあるのだろうか。
「さまざまなエッセイの中の言葉を拾い集めているようなところもあります。例えば、伊丹十三さんの『ヨーロッパ退屈日記』からは潔癖すぎるほどの美意識を、最近読んでいる犬養道子さんの『お嬢さん放浪記』からは行動力と創造力を。ビジュアルで理解するのでなく、おしゃれについての“考え方”を取り入れるのが面白いんです」
『クロワッサン』1160号より
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