永作博美さんの、この春気になる3スタイル──今の私が着たい服
撮影・木寺紀雄 スタイリング・岡本純子 ヘア&メイク・住本 彩 文・長嶺葉月
心惹かれる色は、大人ピンク
シルエットやディテールで甘さをほどよく抑えた、大人らしい上品さの漂うピンクのブラウスが主役。「以前は照れくさかったピンクに夢中。今は素直に楽しめるように」
永遠の定番、デニムを着こなす
Tシャツ × デニム
デザイン性のある白Tシャツとデニムで、気負わないバランスに。「昔から変わらずデニムは相棒。お気に入りの1本があれば、白Tシャツ1枚でもばっちり決まります」
春色ジャケット × デニム
淡いイエローのジャケットとシャツを合わせ、デニムでドレスアップ。「大人になっても、こうして冒険した色を安心して取り入れられるのは、やっぱりデニムのおかげ」
甘いチュールとミリタリーの、甘辛バランス
シアーなブルゾンに、チュールとタイトスカートで甘さをひとさじ。「ハンサムな装いが好きだけど、年齢を重ねた今、そこに甘いディテールを添えるのが気分です」
着たい服を素直に選ぶと、気持ちがいい
若い頃は、恥ずかしくて手に取れない色があった。似合わないと決めつけて、遠ざけていた服もあった。けれど年齢を重ねた今、永作博美さんは「本当に着たいもの」を、以前よりも素直に選べるようになったという。
「前はピンクが恥ずかしかったんです。でも最近は、自然と目で追っている自分がいて。柔らかな色も、少し甘さのあるデザインも、今はワクワクする存在に変わりました。年齢とともにどんどん自由になっている気がします。それこそ昔は、何かに抗うかのように服を着ていた気がします。幼く見られることへの抵抗や、『こう見られたい』という思いが先に立ち、似合うかどうかよりも“主張”として服を選んでいた時期もあったなと感じます」
その葛藤は、年齢とともに少しずつほどけていった。
「変な意地や他人の目よりも、自分が心地よく過ごせるかどうかが服選びの新しい基準に。今着たいのは、自分になじむもの。重さやカタチとは関係なく、着ていてなんとなくそわそわしてしまう服ってありますよね。その違和感を我慢することがだんだんできなくなったのが正直なところです。それに、同じ時間を過ごすなら、着たいものを着たほうが絶対に幸せですよね」
現在の永作さんにとって、ファッションは「テンションを上げるもの」。
「一番近くにいる最強の味方です。『これを着ると元気になれる』、そんな“推し”のような一着があるだけで、人は前向きになれますから。高価なものでなくてよくて、心がときめくことが大切です。とはいえ、何を着たらいいかわからない時期って、誰にでも訪れる。そんなときは、行ったことのないお芝居、聴いたことのない音楽を聴きに出かけてみる。先の楽しみをスケジュールに入れるときに、一緒に“何を着ていこうかな”と想像する。小さな変化を重ねると、何か見つかるはず」
自分を探し求める感覚。こうした心境は、最新作の主人公像とも重なる。4月スタートのドラマで演じるのは、人生の転換期を迎えた50代の女性。
「子育ても終わり、家族のために時間を費やした女性が急に自分の存在意義を見失ってしまう、そんなリアルな心情から始まる物語です。とあるきっかけで、鮨職人を育てるアカデミーに入学し、新しい出会いとともに自分を発見していく過程を丁寧に描きます。服も同じように、少しずつ自分のアンテナを磨いていけるといいですよね」
『クロワッサン』1160号より
広告