【ヨガのポーズ83】“放つ” 空を眺めるポーズ——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方
胸を張り、目線を上げることで前向きになります。──いつの間にか背負っていた荷物が重くなっていた。そんな感覚さえ覚えるのが更年期かも。いったん荷物を放ってみることで何かが変わるかもしれません。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
空を眺めるポーズ
真っ直ぐに立ち、片方の足を一歩踏み出すと同時に、両手を前から上へと何かを放り投げるように上げます。目線も自然に斜め上に向けましょう。そのまま深い呼吸で8秒。もう片方の足でも行います。
一歩、足を前に出し、両手を上げて大きく胸を広げる――このポーズ、「空を眺めるポーズ」と名づけましたが、実は、空へ向かってバスケットボール級の重さの「何か」を放り投げているつもり、なんです。
私は今、更年期真っ最中なのですが、この時期、ホルモンバランスが変化することで、どうしても心身ともに影響を受けてしまいます。家族のこと、仕事のこと、自分が抱えている役割に身動きとれない人もいることでしょう。
このポーズのよいところは、胸を張ることで自然と呼吸が深くなり、目線が上がることで不思議に気持ちが前向きになることです。(温厚な?)私だって、年に1回くらいは、思い切り空へ投げ飛ばしたくなるコトが起きるもの。そんなときはベランダに出て、このポーズ一択。重たいものを放り投げたら、青い空が一瞬で赤く染まったり、雲の色や形が変わったり、移り変わる空を眺めます。すると、つらいとか大変とか悲しいとか、その状況からすでに一歩離れている自分に気づくんです。
一歩、足を出してみましょう。
放り投げるコツは、両手の間に、投げたいモノ、コトをしっかりイメージすること。そして、できるだけ遠く、自分からは見えないどこかへ力いっぱい投げることです。
『クロワッサン』1152号より
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