浅草「銀座ブラジル」──エッセイスト・安澤千尋さんが長年通う店。世代を超えてつなぐ味、変わらない雰囲気に安らぐ名店
何世代にもわたって続いてきた老舗の喫茶店、居酒屋、食堂の魅力とは? エッセイスト・安澤千尋さんに長年通う店を教えてもらいました。
撮影・上原未嗣 文・辻さゆり
浅草「銀座ブラジル」
1948年創業
創業時から変わらぬ食材と、守り続けてきた味
安澤千尋(やすざわ・ちひろ)さん 街歩きエッセイスト。1981年生まれ。浅草出身。2017年からブログ「かもめと街」を始める。初の著書『午後のコーヒー、夕暮れの町中華』(書肆侃侃房)が発売中。
料理は注文を受けてから材料を切り出すところから始める。どんなに忙しくても作り置きはしない。
「創業当時のものと同じ材料を仕入れ、調味料の配合も変えていない。だから同じ味が作れるんです」と話すのは、3代目店主・梶純一さん。ブラジルコーヒーの輸入をしていた初代が銀座で開業したのが始まりで、浅草店がオープンしたのは1963年。浅草出身の安澤千尋さんは子どもの頃からこの店のショーウィンドーを眺めて育った。初めて店に入ったのは大人になってから。
「すべて手作りされていることに驚きました。味はもちろんのこと、梶さんの笑顔にも元気をもらっています。ご家族経営でお母様もちゃきちゃき働かれていて。お客さんを大事にしつつ対等、という空間が心地よいんです」
SHOP INFO
東京都台東区浅草1-28-2 シカゴビル2階
TEL:03-3841-1473
(営)9時~15時 水・木曜休
『クロワッサン』1150号より
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