【ヨガのポーズ79】“軸” 花輪のポーズ——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方
自分軸は、揺れ幅があってちょうどいい。探す過程が大事です。――軸のある人には憧れるけれど、揺らいでいる軸だって、自分だけのもの。揺らぎも楽しんでしまいましょう。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
花輪のポーズ
かかとが床から浮く人はムリしないでね
両脚を開いて立ち、上体を曲げながら床に手をついてしゃがみます。足の裏で床を押すようにして、背中をまっすぐに立て、両手のひらを合わせましょう。深い呼吸を続けながら8秒。
このポーズのポイントは、左右対称です。その中心にあるのが「軸」。右の足からも左の足からもエネルギーをもらい、真ん中で力を均衡させながら、軸を探しています。
軸を意識しないポーズはヨガにはありませんが、とはいえ、ヨガは非日常。ふだんの暮らしで、「軸」を意識することは少なく、「自分軸」という言葉が使われるのは、就活のときくらいです。もっている人は評価され、もっていない人は未熟……のような捉え方をされますが、そんなに白黒はっきり分けられるものではありません。
軸とは、揺らぎながら、「ここが大事かも」「ここは多少ずれてもOK」と、位置を探している状態そのもの。ある程度、揺れ幅があっていいし、軸そのものが太い筒であってもいいと思います。細く尖った軸だと、自分軸に外れるものごとをすべて排除することになり、苦しくなるのは自分です。許容できる範囲の中で探せばいいのです。
さて、ポーズの名前ですが、なぜ「花輪」なのでしょうか。それは、花冠を頭上に載せているイメージだからです。花の中心=軸が自分の中にすっと通っている。そんなイメージを浮かべながら、花輪のポーズにトライしてみましょう。骨盤底筋群を鍛え、股関節も柔軟にしてくれる、女性にうれしい効果がたくさんあります。
『クロワッサン』1146号より
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