機能性表示食品となった八海山の〈あまさけ〉。毎日の1本が、健康な日々を生み出す。
写真・青木和義 文・斎藤理子
甘酒と聞くとアルコール飲料を思い浮かべますが、八海醸造の「あまさけ」は完全ノンアルコール。だから1日のどのタイミングでも手軽に飲むことができます。徹底した衛生管理がされた製造所で作られる「あまさけ」のおいしさとその効用を取材しました。
長年の研究を経てその効用を科学的に判明。驚異的な〈あまさけ〉のパワーを知る。
八海醸造株式会社の研究開発棟で、〈あまさけ〉の研究開発に取り組んでいるのが、取締役製造部長の倉橋敦博士。2009年の〈あまさけ〉発売以来、愛飲者の人たちから、「便通が良くなった」「肌の調子が良くなった」という声が多数寄せられるものの、科学的に説明できるエビデンスがなかったことが、効用の理由を解明する研究を始めた理由だそうです。
「麹だけでつくった〈あまさけ〉は、グルコースが主成分で、20種類のアミノ酸すべてと、B12を除くすべてのビタミンB、12種類のオリゴ糖が含まれています。それが飲む点滴と言われる所以ですが、便通や美肌に良い理由究明には結構時間がかかりました」と倉橋博士。7年に及ぶ研究を経て、『〈あまさけ〉独自の麹菌HJI株が腸内環境を整え、便通を改善する機能性があること』と、『麹由来のグルコシルセラミドが肌の潤いを守るのを助ける機能』が明らかになったといいます。
日本酒と同じように米を60%まで磨いて作られる〈あまさけ〉は、雑味がなく上品ですっきりとした味わいと麹由来の甘さが特徴。ただ、その甘みが血糖値の上昇や肥満につながるのではないかと心配する声もあるそうです。
「血糖値が高めの人30人に4カ月間毎日1本飲んでもらう実験と、1カ月間毎日3本を飲んでもらう過剰摂取の実験をしたところ、共に血糖値も体重も増えないというエビデンスが出せました。ですので、〈あまさけ〉はどなたにも毎日安心して飲んでいただけるんです」と倉橋博士は解説します。
甘酒には、酒粕と水と砂糖を加えた酒粕甘酒と、麹と水だけで作る麹甘酒の2種類があります。八海醸造の〈あまさけ〉は、余計なものを一切加えず、麹と八海山系の極軟水で作っているノンアルコール麹甘酒なので安心安全。どうしても血糖値が気になる人は1本を1日3回に分けて飲めば、その効用は変わらないまま、より血糖値の上昇が抑えられると倉橋博士。腸内環境に効果的でお肌の潤いを守るのを助けるとあれば、女性には見逃せません。
FSSC22000(食品安全システム認証)を獲得した製造所で、徹底した衛生管理のもと製造。
〈あまさけ〉は、厳重な衛生管理が徹底された製造所で作られています。あまさけ製造所所長の櫻井剛さんに〈あまさけ〉のできるまでを案内してもらいました。
原料の米は、搬入されると色彩選別機にかけられ変色している米などの異物を排除します。異物が取り除かれた米は洗米され、浸漬されたのち、蒸米機に運ばれ、表面は硬め、中は柔らかい“外硬内軟”に蒸されます。これは日本酒を造る時と同じ手法で、こうすることで麹菌の菌糸が米に入りやすいのだそうです。
蒸された米は種麹が撒かれ、製麹機に運ばれます。45〜50時間ほど寝かしてできた米麹は水と混ぜられてタンクへ。50〜60℃に管理されたタンク内で糖化発酵が進み、麹の力だけで一晩で「あまさけ」になります。できた「あまさけ」は味や色味などのチェックをして、充填工程へと進みます。
完成した〈あまさけ〉は、洗浄したボトルに充填されアルミキャップで密封されます。それを85℃の熱水シャワーで殺菌。この温度と時間は、〈あまさけ〉の味と風味が変化しないぎりぎりの数値だそうです。ラベルが貼られ、最終的なチェックを経て箱詰めされて出荷になりますが、出荷前にも品質検査が行われ、万全が確認されます。
デイトリップにもおすすめの、楽しく美味しい施設が充実している〈魚沼の里〉。
銘酒八海山を醸す酒蔵の周りには、八海醸造が運営する『魚沼の里』という施設があり、散策や食事、買い物など様々に楽しめます。
クラフトビールの〈ライディーン・ビール〉の醸造所、『猿倉山ビール醸造所』では、ガラス越しに醸造タンクを眺めながら、出来立てのビールとビールに合う料理が楽しめます。併設のショップではビールの購入もできます。
『つつみや八蔵』は、贈ることをテーマにしたショップ。贈り物のシーンに合わせた日本伝統のラッピングを提案しています。様々な水引や和紙の包装紙が美しくディスプレイされた店内では、和紙でポチ袋を作ることができるコーナーも。〈あまさけ〉はもちろん八海山各種などが購入でき、大切な人や特別な機会に合わせたオリジナルなラッピングを選ぶことができます。酒と食に関する書籍を集めたミニライブラリー『八蔵資料館』も併設しています。
冬の間にたくさん降り積もった雪を利用した貯蔵施設が『八海山雪室』です。雪国に伝わる雪室は天然の冷蔵庫。八海醸造では、1000トンの雪をここに運び込み、4℃前後をキープして長期間日本酒を低温熟成させます。雪室の建物には焼酎貯蔵庫や試飲スペース、カフェ、売店、キッチン雑貨ショップなどが併設されています。『八海山雪室』の雪中貯蔵庫の見学は、試飲込みでひとり500円。チケットはWEB予約で。当日券も購入できます。
『魚沼の里』にある『八海山みんなの社員食堂』は、ランチタイムに限って誰でも利用できる食堂。地産地消の食材を極力使い、ご飯はもちろん精米したての魚沼産コシヒカリ。体力を要する蔵人たちのための食事なのでボリュームもたっぷり。副菜も多彩で、バランスの良い食事が楽しめます。
注)研究棟とあまさけ製造所は一般見学不可。
協力:八海醸造株式会社 https://www.hakkaisan.co.jp