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食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

冷蔵庫や野菜室の底から出てくるあんなものやこんなもの。ドアポケットぎっしりの瓶ものも気づくといつも賞味期限切れ……食品ロス=食費のムダ。
上手に食べ切る技を取得しておいしくトクをしましょう。

撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子 文・松本あかね

半端な食材は冷凍用保存袋に入れて冷凍。

【野菜 110円トク!】【肉とエビ 330円トク!】

本などのレシピどおりに作ると半端な食材が出るのが困りもの。豚薄切り肉235g入りのパックを買い、200g使うと35g余る。次の日は12尾入りのエビが4尾余るといった具合。

「そういう半端な豚肉やエビは、ラップに包んだら行方不明にならないよう決まった保存袋に入れて冷凍。袋がいっぱいになったら粗く刻んでミンチに。焼売もいいし、春巻きもおいしい」

と上田淳子さん。焼売2人分のミンチを約200gとして換算すると約330円。つまり、主菜のタンパク質分の食費をトクしたことに。野菜も少量残ったら野菜室に戻さず、切って冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば、味噌汁やスープの具にすぐ使える。例えば小松菜2株、玉ねぎ1/2個、きのこ1/2パック、しめて110円分の半端野菜が具だくさんの味噌汁に変身してくれる。

食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

野菜(左)
半端野菜と出汁パックを一緒に冷凍した「味噌汁袋」。朝、何も考えず鍋に入れるだけ。

肉とエビ(右)
半解凍後、塩で味付けして焼売や春巻きに。あれば刻んだれんこんを入れるとなお美味。

焼き肉のタレは甘口だけ買い、辛さは好みで加える。

【66円トク!】

焼き肉のタレは家族の好みに合わせ「甘口」「中辛」「辛口」と買い揃えようものなら、年単位で冷蔵庫に居座ることになりかねない。実は生鮮品よりもロスの度合いが高いのが、焼き肉のタレやドレッシング類かも?

「子どもが大きくなると家族そろって焼き肉という機会も減りますし、調味料として使い回すにも限界が。ラー油や一味など家にある香辛料で辛味をつければ、『甘口』1本でこと足りますよ」

瓶に5分の1ほど残ったタレにラー油、一味を好みの量だけ加えて使い切れば、約66円分をムダにしないですむ。2本、3本と買い、残した分をダメにしていたことを思えば、その2倍、3倍分、トクしたといえるかも。

「家にあるすりごまやコチュジャンを加えてもいい。買わないでなんとかするという発想に切り替えたいですね」

甘口の焼き肉のタレにラー油や一味を加えれば辛口に。

食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

ドレッシングはシンプルなものを1本のみ。

【80円トク!】

和・洋・中はもとより、数多くの種類が売り場に並ぶドレッシングも気をつけないと増殖する一方。そうさせないためには、購入を1本に絞ること。

「基本のフレンチドレッシングに近い、乳化させていないタイプのものを選んでください。応用しやすく、カレー粉やマスタードを足せば簡単に味に変化をつけられます」

バジルペーストやドライトマト、アンチョビを刻んで混ぜても、レストランの味に早変わり。こうして1本を使い切れば、ボトル底に残しがちな5分の1≒40円分がムダにならない。

和風ドレッシングはめんつゆに好みのオイル、酢を1:1:1の割合で合わせれば簡単に手作りできる。すりごまを加えたり、オイルをごま油に替えれば中華ドレッシングに。2種類合わせて80円のおトク。

フレンチドレッシングにちょい足しで味変。

食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

和風ドレッシングは手作りする。

食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

調味料はできるだけ小ボトルを買うほうがトク。

【135円トク!】

「小瓶や少量パックは割高でもったいないと思っていましたが、考え方が変わってきました。大事に使いたいからこそ、大容量を買ってはダメだと」

使う量や頻度が少なくなれば、時間の経過とともに味が落ちていくのは避けられない。家族の人数が減ったのなら、食材だけでなく調味料のサイズも見直す必要がある、と上田さん。

例えばマヨネーズ。450gで248円のファミリーサイズと200gで198円の小ボトルではむろん前者が割安だが、開封後においしく食べられるのは1カ月程度。その間に使い切れず5分の1を残したとしたら約50円のムダになる。ソース、ケチャップも同様に計算してみると3点で合計135円分のロスに。おいしさのためにも節約のためにも、これからは小ボトルや小分けパックが正解!

ソース、マヨネーズ、ケチャップは小ボトルや小分けパックを買えば使い切れる。

食品ロスを防ぐ、余らせない・捨てないための買いものと保管5つのコツ。

冷蔵庫に「急ぎ処理コーナー」を作る。

【970円トク!】

半分残ったりんごは野菜室に戻してはいけない。行方不明になること必至だから。ハム1枚、ちくわ1本もしかり。残った食材はトレーにまとめ、冷蔵庫の一番目立つ場所に置くのが鉄則だ。

「目につくところに置いておかないと結局使いませんから。冷蔵庫を開けるたびに罪悪感を持つくらいでないと」

普段の調理ではまずここから使うことを心がけて。買い物へ行く前にチェックしておけば、同じものをダブって買うこともなく、そもそも買い物へ行く必要すらないと気がつくかも。トレー上の食材の合計は970円程度だが、買い物自体をやめれば、その値段以上の節約効果がありそう。

賞味期限を記載した包装材で包んでおけば、いつまでに食べなくてはいけないかが明確。奮発したチーズなども状態が良いうちに食べ切ることができる。

ちょこちょこ残った食材は行方不明になりやすい。1カ所にまとめ、一番目につくゴールデンゾーンに。
ちょこちょこ残った食材は行方不明になりやすい。1カ所にまとめ、一番目につくゴールデンゾーンに。
  • 上田淳子

    上田淳子 さん (うえだ・じゅんこ)

    料理研究家

    普段のフレンチから子ども向けレシピまで、幅広いアプローチで家庭料理を提案。共著『おいしい煮込み 5人の料理家が作り続けているレシピ』(西東社)。

『クロワッサン』1062号より

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