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光熱費はどう節約する? 新電力への乗り換えと日常生活の小ワザ。

やっているつもりでも、なかなか自信が持てない「節約」。大人の節約は、やみくもに削るのではなく、一度見直すと効果が続く固定費から。節約アドバイザーの丸山晴美さんと、家計コンサルタントの八ツ井慶子さんに話を聞きました。

イラストレーション・小林マキ 構成と文・生島典子

光熱費は、新電力への乗り換えと日常生活での小ワザで減らす。

光熱費も一生涯費目。節約を心がけた暮らし方をあたりまえにしよう。
光熱費も一生涯費目。節約を心がけた暮らし方をあたりまえにしよう。

おうち時間が長くなり、光熱費も増える傾向がある。電気もガスも自由化されたが、以前のままにしている家庭も多いだろう。

丸山さんは、「新電力に見直せば、電気代が安くなる場合があります。私は『HISでんき』で契約をしていて、東京電力より5%安くなりました。比較サイトから自分の居住地域で使える新電力を探して、乗り換えを検討しましょう」と言う。

まず、現在の使用量などを入力して、比較サイトでシミュレーションしてみよう。乗り換える際は、新電力会社のホームページでも再度シミュレーションして確認を。

八ツ井さんは、「使用電力量は季節により変動するので、できれば毎月の使用量を入力できるサイトのほうが、わが家の使い方に合った会社を選ぶことができます」と言う。

新電力に乗り換える際の注意点は、料金体系が変動タイプでないものを選ぶこと、解約するときに一定の解約できない期間がある、解約時には違約金があるなどのペナルティがないかどうか確認すること、キャンペーンで最初の1~2年は安く見えるように設定されている場合もあるので、3年目以降の料金で比べることなど。

「『ENEOSでんき』はガソリン代の割引があるし、電気とガスをまとめて契約すると割引がある会社なども魅力です。私はポイントで還元される会社よりズバッと値引きしてくれる会社を選びました」(丸山さん)

光熱費については、暮らしのなかで心がける節約ポイントがいくつかある。八ツ井さんと丸山さんが口を揃えるのは、「保温に電気代をかけないこと」。

炊飯器でご飯を炊いたら保温せず、小分けにして冷蔵や冷凍で保存して、食べるときに温める。電気ポットを使わず、その都度必要な分を沸かす。トイレの暖房便座も家にいるときだけ入れるか、切ってしまって100均の便座シートを貼る。ウォーターサーバーも温水は切るなど。

いちばん熱が出て行きやすい窓にしっかりカーテンをかける、暖める範囲を仕切りやカーテンなどで区切る、家族でひとつの部屋で過ごすなどを心がけると暖房効率が上がる。

20年以上使っている家電は、買い替えをすると使う電力量が減って、節電になる。

「東京都では、設置済みの冷蔵庫、エアコン、給湯器を省エネ性能の高いものに買い替えて申請すると、『東京ゼロエミポイント』がもらえます。
今年3月末まで実施中で、商品券などと交換できるポイントが最高2万1000円分受け取れます。また、蛍光灯をLEDに買い替えると、使用電気量を半分くらいに減らせます」(丸山さん)

〈新電力への見直し方〉

●Step 1
【現在の電気代の利用明細書を手元におく。】

現在使っている電力会社の「使用量のお知らせ」を手元に準備する。数カ月分あったほうがシミュレーションの精度が上がる。ない場合は、電気代の総額だけでも試算は可能。
 ↓
●Step 2
【電気料金比較サイトに必要事項を入力する。】
「エネチェンジ」や「価格.com」などの電気料金比較サイトで、郵便番号や家族の人数、現在の使用量などを入力すると、居住地域をカバーしている新電力の料金が表示される。
 ↓
●Step 3
【上位3〜5社の、新電力会社の公式HPで再度シミュレーションする。】
電気料金比較サイトの情報が最新のものとは限らないので、比較サイトで上位3~5社の新電力会社の公式ホームページを開いて、そこで同様にシミュレーションして確かめる。

(!)注意点
◯キャンペーン終了後の料金で比較する。
◯解約できない期間や違約金をチェック。
◯料金体系をチェック。「変動型」プランを選ばない。
 ↓
●Step 4
【細かい条件まで検討して、乗り換え先を決定。】
1~2年目まではキャンペーンで安くなる会社もあるので、必ず3年目以降の料金もチェック。料金体系や解約するときのペナルティなどもチェックし、乗り換え先を決定する。

〈光熱費節約の小ワザ〉

□ 窓にはしっかり厚手のカーテンをかける。
□ 加湿機で湿度を上げて体感温度を上げる。
□ ウォームシェア。家族はできるだけ一室で過ごす。
□ 仕切りなどで暖める空間を少なくする。
□ ウォームビズ。1枚多く着る。靴下、スリッパで足元を温かくする。
□ 保温を切る。炊飯器、電気ポット、暖房便座、ウォーターサーバーなど。
□ お風呂は短時間で次々に入る。
□ 省エネ性能が高い家電に買い替える。

できることを少しずつ。光熱費の節約につながる行動を。

  • 丸山晴美

    丸山晴美 さん (まるやま・はるみ)

    節約アドバイザー

    22歳のときに節約に目覚め、2001年に節約アドバイザーとして独立。『シングルママの「お金に困らない」本』(徳間書店)など著書多数。

  • 八ツ井慶子

    八ツ井慶子 さん (やつい・けいこ)

    家計コンサルタント

    メビウストーチ代表取締役。2001年にファイナンシャルプランナーとして活動を始め、’13年に「生活マネー相談室」を設立。個人相談や講演、執筆などを行う。

『クロワッサン』1062号より

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