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作家の羽田圭介さんのレシピで作る、鶏ハムと鶏もも肉のポトフ風。

部位も調理法もさまざまなバリエーションがある鶏料理。
羽田圭介さんが作り続けているこだわりのレシピをここに紹介。

撮影・黒川ひろみ 文・黒澤 彩

面倒くさがりなので、素材を味わう料理を。

執筆などで多忙を極める羽田圭介さん。特別に料理が好きというわけではないが、それだからこそ、作り置きできるヘルシーな鶏ハムに目をつけた。

「往時には外国産の安い肉を4kg買ってきて、一度に仕込んでいました。芥川賞をとったばかりのころ、テレビ番組の打ち合わせで『毎日鶏ハムを食べている』と話したら、すごく面白がってくれて。その後はテレビクルーが家に来ては作ってみせる日々が続き、冷凍庫は常に鶏ハムでいっぱいでした」

鶏ハムはかつての節約生活を支えてくれた一品。サラダ風に食べたり、カレーの具にしたりと自在に活用できるのもありがたい。今でも、鶏ハムのように素材の味をシンプルに引き出す料理が好きでよく作る。鉄製のスキレットに鶏もも肉と根菜を敷き詰めて蒸し煮するポトフ風も、その一つだ。

「適当に具材を入れて放っておくだけだから、ものすごく簡単。鉄の厚い鍋で作ると、やわらかく火が通っておいしくなります」

作家の羽田圭介さんのレシピで作る、鶏ハムと鶏もも肉のポトフ風。

[ 鶏ハム ]

作家の羽田圭介さんのレシピで作る、鶏ハムと鶏もも肉のポトフ風。
ラップを広げた上に肉を置き、ラップごと筒状に巻く。
ラップを広げた上に肉を置き、ラップごと筒状に巻く。
ゆで汁が入らないよう、大きめのアルミでしっかり包む。
ゆで汁が入らないよう、大きめのアルミでしっかり包む。
作家の羽田圭介さんのレシピで作る、鶏ハムと鶏もも肉のポトフ風。
ラップを広げた上に肉を置き、ラップごと筒状に巻く。
ゆで汁が入らないよう、大きめのアルミでしっかり包む。

【材料(2〜3人分)】
鶏むね肉 2枚(500g)
塩・砂糖・こしょう 各少々

【作り方】
1.鶏むね肉は筋と余分な脂肪を取り、巻きやすくするため数カ所に切り込みを入れる。
2.1に塩、砂糖、こしょうを揉み込み、ハムの形状になるようラップでぎゅっと巻いた上からアルミホイルで包む。冷蔵庫で30分ほど寝かせる。
3.鍋に2を入れ、巻いた肉の半分ほどの高さまで水を張り、弱火にかける。ふつふつと沸いたら5〜6分加熱する。
4.火を止めて蓋をし、1時間以上置いて余熱で火を通す。

[ 鶏もも肉のポトフ風 ]

作家の羽田圭介さんのレシピで作る、鶏ハムと鶏もも肉のポトフ風。

【材料(2〜3人分)】
鶏もも肉 1枚(300g)
オリーブ油 小さじ1
玉ねぎ 1個(4つ割り)
じゃがいも 2個(半分に切る)
にんじん 1本(横2等分し、縦4等分に切る)
塩・こしょう 各少々

【作り方】
1.鶏もも肉は余分な脂肪を取り除く。
2.スキレットにオリーブ油をひき、中央に鶏肉の皮を下にして入れ、周りを埋めるように切った野菜を敷き詰め、塩、こしょうをふり、蓋をして中火で加熱する。
3.鶏肉の皮目に焼き色がついたら裏返す。肉と野菜にしっかり火が通れば完成。

  • 羽田圭介

    羽田圭介 さん (はだ・けいすけ)

    作家

    2015年『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞を受賞。今夏、2年ぶりの新刊『Phantom』(文藝春秋)が話題を呼んでいる。

『クロワッサン』1052号より

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