からだ

酢・味噌・醤油。麹を使った日本の三大調味料の効能。

さしすせそ、5大調味料のうち3つは麹を使った発酵食品。酢は穀物を発酵させ、さらに酢酸発酵させた2段構え。
醤油と味噌は大豆を使った塩味の兄弟調味料です。
発酵の名門、東京農業大学の専門家に教わりました。
  • 撮影◦黒川ひろみ 文◦韮澤恵理

発酵で生み出される、こんなにある酢の効能。

酢は酒からできています。

穀物や果物など、糖質の多い原料を酵母で発酵させるとアルコールが生まれ、そこに酢酸菌を加えて酢酸と水に変えたのが酢です。日本の酢は穀物が原料なので、そのままでは発酵しないため、麹菌で酒を作り、さらに酢酸発酵させます。

酢には健康維持に役立つ多くの効果が認められています。まず、食後血糖値の急上昇を抑える働きがあり、小腸での糖の吸収をゆるやかにする効果が得られます。

毎日酢を飲むと、血中コレステロール値が下がることや、高めの血圧が下がることも立証されています。内臓脂肪が減少するという研究発表もあります。

毎日大さじ1杯程度を継続して摂るのがおすすめです。

酢に含まれる酢酸は疲労回復やエネルギー代謝の改善にも役立ちます。

【酢の種類と特徴】

穀物酢

とうもろこしや麦、米などの穀類が原料。くせがなく手頃な価格で使い勝手がいい。和洋中華を問わずに使える。穀物以外の甘味料や調味料が添加されていないものを選びたい。

米酢

一定量以上の米を使用している穀物酢。米100%が理想。「純米酢」と表示されていれば米だけでできている。酸味がしっかりしていてコクや風味が強い。すし酢をはじめ和食におすすめ。

黒酢(濃い色)

黒酢は玄米を発酵熟成させた酢で、原料や発酵方法、期間によってかなり色が違う。香醋と呼ばれる中国黒酢はもち米や大麦などが原料で、濃厚なうまみと濃い色が特徴。

黒酢

玄米を発酵、熟成させた酢で、アミノ酸の含有量が普通の酢の約10倍で濃厚なうまみがある。熟成期間が長いものほどまろやかで、酸味が少ないので飲む酢にはおすすめ。

【酢のつくり方】

【酢と名のつく酢ではない食品】

米酢、りんご酢などは酢酸発酵させた「酢」だが、酢の字がついても、酢酸発酵していないものも。ポン酢は柑橘類の搾り汁や、そこにだしなどを加えたもの。梅酢は梅干しを塩漬けしたときに上がってくる汁。泡盛から作るもろみ酢も酢酸発酵ではない。酸味のあるものを総称して酢と呼ぶことによる混同。

麹を使わない酢もある。

ワインなどは果物の糖(果糖)を酵母がそのまま食べて酒(ワインやシードル)になる。

りんご酢

りんご果汁を酵母によって発酵させ、できたシードル(りんご酒)に酢酸菌を加えて発酵させた酢。フルーティーな香りが特徴で、飲用にも向く。

ワインビネガー

ぶどうを搾った果汁にワイン酵母を加えて発酵させ、できたワインに酢酸菌を加えてさらに発酵。白ワインビネガーと赤ワインビネガーがある。

バルサミコ酢

イタリア北部の特産品。煮詰めて濃縮したぶどう果汁を木の樽で長期間熟成して作る。濃い褐色で香り高く、酸味は少なくて甘みがある。

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